防災対策 学童任せ 沖縄県市町村調査 チェック体制欠如


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 学童がある県内27市町村へのアンケートでは、市町村の学童に対する関わりの低さが浮き彫りになった。第三者によるチェック体制がなく、マニュアル作成でさえも条例で義務付けていない自治体は18市町村に上り、学童任せになっている。こうした現状に識者は「子どもの命を守る意識が必要だ」と警鐘を鳴らす。

 アンケート結果では学童の防災マニュアルの提出義務がある自治体は3市町にとどまり、24市町村では提出を義務付けていない。提出がなければ、学童がどのような防災体制を整えているのか市町村が把握するのは難しい。

 マニュアルを確認していない15市町村は理由を「確認体制が整っていない」「提出義務がない」などと回答。市町村の担当者も他の業務との兼務で多忙で、学童任せになっていることがうかがえ、学童の防災体制について第三者がチェックする体制が整っていない。

 県内は民設民営の学童が9割を占めるが、同じ民設民営の認可外保育園では、県の職員や市の担当による年1回の立ち入り調査が行われ、その際に防災対策の確認と指導がある。那覇市では市の職員が認可外保育園に出向き、非常時の連絡先をまとめた掲示物が貼られているかを確認し、消防訓練などの実施状況についても、訓練時の写真を見て確認するという。

 子どもの命は平等であるにも関わらず、学童では市町村が立ち入り調査をする機会はなく、防災対策の内容についても市町村、学童によってばらつきが生じている。