社会

「被爆2世へ関心を」 沖縄・石垣の吉田さん 写真展を開催

「被爆2世に差別なき関心を持ってほしい」と語る吉田敬三さん=5日、石垣市内の自宅

 【石垣】親の被爆体験と向き合い、葛藤を抱えながらも自らの人生を歩む被爆2世の撮影を続けてきた沖縄県石垣市在住の写真家吉田敬三さん(57)の写真展「被爆2世の肖像 in ISHIGAKIJIMA」が7~9日、同市の八重山平和祈念館で開催される。県内での開催は初めて。長崎県出身で自身も被爆2世の吉田さんは「被爆2世の姿を通じて、2世や被爆への関心を持ってほしい」と話す。

 写真家として30代のころ、海外の紛争地取材を重ねたという吉田さん。「ナガサキ」の地名は海外でも知られており、長崎県出身であることを現地住民に伝えると「(原爆は)どうだったんだ」との質問をよく受けたという。しかし、被爆した母親の体験を何も知らない。そのことをきっかけに自身の母への向き合い方を省み、他の被爆2世の生き方を知ろうと2003年から撮影を続けてきた。

 「まだ被爆2世への偏見や差別はある」と語る。これまで31都道府県130人余りの被爆2世を写真に収めてきたが、それ以上の数で撮影拒否もあった。撮影できたとしても「やはり被爆2世として見られるのが怖い」と展示を断られることもあったという。「それも2世の思いだ」と受け止める。だが原爆体験の風化が差別や偏見につながるとの強い危惧もある。「被爆体験こそないが被爆者の一番身近にいた2世だからこそ、その姿で事実を語り継ぐことができるのではないか」とシャッターを切り続ける。

 撮影場所を被写体に委ね、表情が引き立つようモノクロにこだわる肖像写真は、被爆2世の自然な姿を映し出す。「『被爆2世』というタイトルがなければ、(2世でない人と)何も変わらないと感じるだろう。まずは被爆2世を身近に感じ、差別なき関心を持ってほしい。もっと原爆について考えるきっかけになれば」と語った。

 写真展では県内で撮影した写真を含め72点を展示する。開催は午前9時~午後5時(7日は午前10時から。9日は午後4時30分まで)。入場無料。問い合わせは八重山平和祈念館(電話)0980(88)6161。