知事、投入阻止へ再上京を調整 辺野古沖に土砂運搬船


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米軍キャンプ・シュワブの沖合、大浦湾のフロート内に進入した土砂運搬船。第百三十六伊勢丸(手前)と(奥左から)第八そうほう丸、第二十八旭丸、第二藤進=7日早朝

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、防衛省沖縄防衛局は7日、沖縄本島西海岸の名護市安和にある「琉球セメント」桟橋で積み込んだ埋め立て用土砂を、本島東海岸にある辺野古の新基地建設予定海域に設定されている臨時制限水域内に運び入れた。

 桟橋工事の完了届や赤土対策に関する事業行為届出を県に提出していない「違法な状態」(県)で搬出した土砂も含まれる。一方、玉城デニー知事ら県幹部は7日、来週にも上京し土砂投入の断念を改めて政府に求める方向で政府と調整を始めた。

 大浦湾に入ったのは土砂の運搬船4隻と陸揚げに使うランプウェー台船1隻の計5隻。新基地建設に反対する市民たちは2隻の船を出して海上から抗議の声を上げた。岩屋毅防衛相は7日、会見で「予定通りに作業を開始できるよう気象状況等も踏まえて万全の措置を取っている」と14日の土砂投入の予定は変わらないことを説明した。週明けにも土砂の陸揚げがされるとみられる。

 土砂の積み込みを巡っては当初、適正な手続きが取られておらず県から行政指導を受けて作業を一時止めた。県は立ち入り検査を終えるまで作業を停止するよう求めているが、防衛局と琉球セメントは作業を再開した。同社は7日、琉球新報の取材に「立ち入りまで作業を停止しなければいけないという法的関係はないので作業を続行している」と答えた。