〈解説〉参院選 仲村氏擁立 低迷社民 党勢拡大狙う 社大の人選に影響も


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 社民党県連が来年夏の参院選比例代表の候補者として、「党内きっての論客」と評価の高い仲村未央氏の擁立を決めた。県内で抜群の知名度を誇り、国政選挙の度に党のエースとして待望論が強かった仲村氏を擁立することで、全国的に低迷が続く党勢の拡大を図る狙いがあるとともに、山内徳信氏以来の沖縄からの比例議席獲得を目指す。

 仲村氏の擁立は現在、社大党が議論を進める参院選沖縄選挙区の人選に影響を与えることは必至で、県連内では現職の糸数慶子氏とのセット戦術による相乗効果を求める声が高まっている。ただ社大党内には、新たな候補者を擁立すべきとの意見も根強く、今後政党間でどのような議論が進むかが焦点となる。

 沖縄では2014年の知事選以降、政党や労組、企業で組織する調整会議が主導する形で選挙戦が展開されてきた。9月の知事選も同様で、来夏の参院選に向けた人選がこじれた場合は調整会議が調停役として選挙戦を仕切る公算が大きい。

 一方、社民党本部(全国連合)は、来夏の参院選で公選法上の政党要件を失いかねないと危機感を強めており、参院選では3人以上の当選を目指すとしている。その中で比例代表には、大分県出身で前党首の吉田忠智氏が立候補を表明している。候補者が九州・沖縄地区に固まることで票の奪い合いを懸念する声もある中、仲村氏は今後、関東を中心に全国を飛び回り支持を訴える考えだ。知名度をどこまで高められるかが勝敗の鍵を握る。(吉田健一)