太平洋の島国パラオが自国の排他的経済水域(EEZ)内で外国漁船の操業を2020年から完全に禁止する問題で、沖縄県は10日、対象となるパラオ水域での県内漁船のマグロ類は17年度に漁獲量は2千トン、生産額(推定)は16億8千万円に上ると明らかにした。県内のマグロはえ縄漁船は約30隻が操業しており、操業が禁止されれば影響は避けられない。県は新たな漁場の確保を模索し、パラオと直接交渉することも検討する。
パラオ水域で操業する県内漁船は、主にメバチマグロを漁獲し、漁獲量は増加傾向にある。一方でパラオは15年10月、海の生態系保護を目的に、EEZ内での操業を段階的に制限するパラオ国家海洋保護区設置法に署名した。20年1月からはEEZの8割は完全な禁漁区に指定し、残りの2割を国内で消費する分の漁業に限定する方針だ。
政府や県漁業協同組合連合会(県漁連)、県まぐろ漁業協会などが20年以降の操業継続に向けて協議しているが、状況は厳しいという。県は大東諸島や大陸棚周辺海域の漁業調査などを実施し、新たな漁場の確保を進めている。富川盛武副知事は「知事や副知事がじかに話し合い、沖縄の漁業権だけでも認めてもらえるよう交渉したい」と述べた。
10日の県議会一般質問で、大城憲幸氏(維新)に富川副知事と島尻勝広県農林水産部長が答えた。