100年続く公設市場へ 那覇で琉大生イベント 事業者、客ら魅力再確認


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100年後の第一牧志公設市場について意見を交わす参加者=11月27日、那覇市のぶんかテンブス館

 100年後のマチグヮー(市場)はどうなっている? 琉球大学の学生たちが11月27日、沖縄県那覇市ぶんかテンブス館で100年後の公設市場を考えるワークショップを開いた。市場の事業者や利用客、市職員らが参加し、マチグヮーの価値を再確認。未来に向けたビジョンを語り合った。

 ワークショップは、琉大人間科学科社会学専攻の大学2年生有志でつくる「ごまるよん。」のメンバー7人が企画した。琉大の地域共創型学生プロジェクト「ちゅらプロ」に採択されて、実施された。

 学生7人は大学で市場の社会学という講義を受講。第一牧志公設市場が2019年7月に現在地で建て替えられることから「今が転換期。建て替えを機に何かできないか」と考え、市場をテーマにすることに決めた。ワークショップに先立ち、市場事業者や市職員、利用者に市場の魅力や役割についてインタビュー調査を実施した。

 ワークショップでは、参加者がグループになり、100年後の公設市場のキャッチコピーやデザインを考えた。各グループからは「市場には伝説的な人がいる。その人たちから学ぶ市場大学をつくりたい」「新旧が混在した市場を生かす」「全世界から仮想現実(VR)で市場での買い物体験ができるようにしたい」など、さまざまな意見が上がった。最後に実現に向けて自らできることを考え、「市場で買い物して夕食を作る」「市場の人とたくさん話す」などと意見が出た。

 市場の菓子店に勤務する外間有里さん(27)は「100年後も公設市場を残していきたい。若い人たちで盛り上げていきたい」と話した。企画した「ごまるよん。」の金城愛弥(まなみ)さん(20)は「いろんな人の意見が聞けて新発見があった。市場は実生活の学びができる場所だと思う。もっと行ってみたいと思った」と話した。

 祖母がアーケード街で店を出していたという金城ひな子さん(20)は市場に親しんできた。「食だけでなく人とのつながりも市場の魅力。食以外の部分も生かしていけたら」と期待した。