辺野古きょう土砂投入 政府、中止要請応じず 知事「県民、大きな憤り」


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台船の着岸に備えて護岸を整備しているとみられるパワーショベル=13日午前10時16分ごろ、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸のK9護岸(喜瀨守昭撮影)

 【東京】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に向け、政府は14日、一部区域への埋め立て土砂の投入を始める。投入に先立ち玉城デニー知事は13日、菅義偉官房長官、岩屋毅防衛相と会談し埋め立て工事の中止を求めたが、両氏は応じなかった。会談後、玉城知事は「非常に残念だ。(政府の)強硬な姿勢に対し、県民がますます大きな憤りの声を上げるだろう」と対応を批判した。

 岩屋防衛相は会談終了後、記者団に対し「気象状況などにもよるが、予定通り開始させていただきたい」と、14日に土砂投入を始めることを玉城知事に伝えたことを明らかにした。玉城知事によると菅長官も「沖縄県の置かれている立場は十分理解しているつもりだが、工事は引き続き進める」と話したという。

 玉城知事は14日の土砂投入を阻止する対策について「はっきりとした手だてが見つかっているわけではない」としつつ、12日に防衛局へ行政指導を実施したことを踏まえ「県庁内でも協議を続けている。それ(行政指導)に続く手だてをしっかり考えていく」と述べ、引き続き工事の中止に向けて全力を挙げる考えを示した。

 一方、県が12日に提出した工事中止を求める行政指導文書に対し、沖縄防衛局は13日、「局で内容を精査している。引き続き、関係法令にのっとって工事を進める」との認識を示した。同日、県選出の野党国会議員でつくる「うりずんの会」などによる抗議の席上、井上主勇調達部長が明らかにした。

 県は埋め立て用土砂の性状検査結果が提出されていないことや、搬出先が計画と異なっていることを問題視し、工事を直ちに止めるよう指導していた。

 防衛局は14日、新基地建設予定海域に船で運び入れている土砂を護岸「K9」から陸揚げする予定だ。ダンプトラックで運んだ後、ブルドーザーで海に押し入れるとみられる。新基地建設に反対する市民らが海上と陸上で抗議する予定だ。