「食のバリアフリー」知ってる? ビーガン、ムスリム、アレルギー 東京五輪・パラ前に対応急務


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ムスリムやアレルギーのある人でも食べられる弁当などが紹介された「食のバリアフリー in 糸満」=9日、糸満市のファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」

 【糸満】沖縄県糸満市のファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」で9日、「食のバリアフリー in 糸満」(ブランド総合研究所主催)が開催された。肉や魚、卵、乳製品を口にしない「絶対菜食主義者(ビーガン)」や、豚肉などを禁じたイスラム教の戒律に従うムスリム、アレルギーのある人などへの弁当やスイーツなど8商品が披露された。

 政府が推進する「2018年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査に係る試行プロジェクト」として実施している食のバリアフリー事業の一環。東京五輪・パラリンピックを機に多くの外国人が日本を訪れることが予想される中、特定の食材が食べられない人への対応が急務だとして、糸満市を含む全国7都市で事業が実施されている。

 うまんちゅ市場では、NOKOTO パーラー(那覇市)、クリスタルLAB(浦添市)、かめさん商店(糸満市)、美らイチゴ(同)、おとまり庵(同)などが開発した、地元の野菜をふんだんに使った弁当や総菜、焼き菓子などが展示された。訪れた人たちは使用している食材の種類や遺伝子組み換え作物の使用の有無が一目で分かる「フードバリアフリーシート」を見ながら試食したり、購入したりしていた。かめさん商店でアレルギー対応アドバイザーを務める田村磨理さんは「だしを取る時に、動物性ではなくシイタケや昆布を用いるなどの工夫は必要だが、食感がしっかりした沖縄らしい食べ物を提供していきたい」と話した。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は「何でも食べられる日本人と比べ、食材を気にする外国人は多い。人によって違うので、何を食べたらいいか判断できる材料を提供できるような社会をつくりたい」と述べた。