下地島エアポートマネジメント 路線開拓へ10社と協議 1便で年38億円効果


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 2019年3月30日開業予定の下地島空港旅客ターミナル施設を運営する宮古島市の下地島エアポートマネジメント(SAMCO、伴野賢太郎社長)は国内外の新規路線開設に向け、航空会社10社ほどと協議を進めている。路線拡大は入域観光客数の増加に直結し、さらにSAMCOは格安航空会社(LCC)が1日1便就航すると観光消費額は年間約38億円とみており、路線が増えるほど経済効果が倍増する試算で、今後の路線開拓に期待が掛かる。

建設が進む下地島空港旅客ターミナル施設=7日、宮古島市の下地島

 同ターミナルは三菱地所による整備が決まり、17年10月に着工した。18年1月には三菱地所に加えて、国場組、双日が資本参加し「下地島エアポートマネジメント」が設立された。

 今年10月には格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが成田―下地島路線の開設を決定。現在、その他の航空会社による新規就航は決まっていないが、国内は中部、関西、九州から、国外は台湾、香港、ソウル、上海を中心に10社ほどと路線開設に向けて協議しているという。

 就航路線の増加は入域観光客数の増加、経済効果に直結する。SAMCOはLCCの1日1便就航で観光消費額は年間約38億円に達すると見込む。1機当たりの座席数が約180席で平均搭乗率が75%だと135人が搭乗する計算。うち9割が観光客だと見込まれるため、宮古圏域での観光客1人当たりの消費額86554円を掛け合わせて試算している。便数が増えれば、消費額も2倍、3倍と増えていくとみており、路線の新規就航が期待される。

 SAMCOは19年内に国内線を1日複数往復、国際線は早期にチャーター便、夏にも定期便を就航させようと交渉を進めており、21年を目標にしていた年間旅客数30万人を前倒しして20年に達成したい考えだ。

 一方、観光に特化したターミナルは特色ある施設の建設が進んでいる。施設は複数の建物で構成され、建物はできる限り壁を無くし、開放感のあるヴィラのようなデザインとなっている。全体はタイのサムイ空港をイメージしたという。ターミナル敷地内にはレンタカーの貸し出し、返却エリアが整備されており、観光客の利便性も高い。宮古島の豊かな自然や海に加え、特色ある施設が観光客を引きつけられるかも注目されそうだ。