東京2020オリンピック・パラ競技大会の開会式・閉会式のプログラムへの沖縄の伝統芸能の採用を働き掛けようと、実行委員会がこのほど発足し、18日、沖縄県那覇市の沖縄産業支援センターで記者会見を開いた。同委員会の名誉顧問を務める稲嶺恵一元県知事は「オリンピックは世界的な行事で沖縄にとってプラスになるチャンスだ。県民のみなさまの協力をお願いしたい」と県民に呼び掛けた。
実行委員会は、県内の経済団体や空手団体、琉球舞踊などの芸能団体で組織し、11月ごろに立ち上がった。委員長に富田詢一琉球新報社会長、副委員長に平良朝敬沖縄観光コンベンションビューロー会長、仲松健雄東京沖縄県人連合会会長、玻名城泰山琉球新報社社長が務めるほか、13人の委員からなる。18日、初会合を開き、開会式のプログラムに琉球舞踊や空手などを組み込むよう、働き掛ける取り組みや沖縄文化を継承・発展させる礎とするため行動することを確認した。
1964年の東京オリンピックの関連イベントで三線を弾いた人間国宝で実行委員を務める照喜名朝一さんは「(沖縄の芸能を)将来につなげる、若い人たちの刺激にもなる」と話した。
仲松副委員長は「今日を境に大きなムーブメントを県内から内地にいるウチナーンチュに伝え、全国的なものになれば、開会式に琉球芸能が取り上げられ世界に発信できる」と期待した。