【名護】名護市在住で元教員の安座間安史さん(64)がこのほど、沖縄本島北部の森林に生息するフトミミズ類の新種3種を発見し、日本土壌動物学会誌「EDAPHOLOGIA(エダホロギア)」に記載報告した。記載は11月30日付。県内に生息するミミズの新種記載は2000年に安座間さんらが報告したヤンバルフトミミズやアカシマフトミミズ以来、18年ぶり。県内ではこれまでに35種の陸生ミミズが記載されており、新たに3種が追加された。
安座間さんによると、ミミズの研究者は少なく、図鑑が発行されているものの県内からはヤンバルフトミミズとアカシマフトミミズしか掲載されていないという。「今後も研究を進めて、沖縄のミミズ図鑑をつくりたい」と笑顔を見せた。
報告した3種はミドリフトミミズ(Amynthas glaucus)、ムネマルミミズ(Amynthas surculatus)、ヒョウタンミミズ(Amynthas cucurbitae)。それぞれの特徴から安座間さんが名付けた。ムネマルミミズとヒョウタンミミズは体長7センチ前後の小型種で、ノグチゲラが高密度で生息する国頭村の森林でのみ確認され、北部地域の固有種である可能性が高いという。ミドリフトミミズは緑色で、体長30センチにもなる大型種。
安座間さんは「ミミズは移動能力が低く海を渡れない。島ごとの生息種や分布研究は琉球列島の成り立ち解明に貢献できる」と語る。一方で研究者が少ないことを課題に挙げ「興味がある研究者がいれば積極的に支援したい」と話した。