沖縄県議会が辺野古土砂投入の即時中止求め意見書 「自治否定する暴挙」


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辺野古新基地建設に向けた土砂投入の即時中止を求める意見書を賛成多数で可決する県議会=20日、県議会

 沖縄県議会(新里米吉議長)は20日、11月定例会の最終本会議を開き、名護市辺野古の新基地建設で国が強行した土砂投入の即時中止を求める意見書を県政与党の賛成多数で可決した。「地方自治を否定し、住民自治を破壊する暴挙で断じて認めるわけにはいかない」と政府の姿勢を批判し、普天間飛行場を直ちに運用停止し、閉鎖・撤去することも求めた。

 意見書は、県の埋め立て承認撤回に対して、国が行政不服審査制度を使って対抗したことを「違法で無効だ」と指摘し、「県の埋め立て承認撤回は有効で工事は違法」だと訴えた。知事選で新基地建設反対を掲げた玉城デニー知事が8万票差で当選したことに触れ「県民の民意を無視し、法的手続きにのっとった地方自治体の正当な主張に耳を傾けず、国の考えに従えと言わんばかりの工事強行」と非難した。

 意見書案は社民・社大・結(12人)、おきなわ(8人)、共産党(6人)、与党系無所属議員1人の賛成で可決した。一方で、野党の沖縄・自民(14人)は「普天間の危険性を速やかに除去することが賢明だ。土砂投入は知事が公有水面埋立法に基づいて承認した、事業を進めるために必要な作業だ」と反対した。

 公明党(4人)と維新の会(2人)は採決を退席した。公明党の金城勉氏は「県外・国外移設を求める立場に変わりはないが、反対するだけでは限界が見えている。新たな方途を探るべき時期だ」と説明した。維新の當間盛夫氏は「意見書を出すことで解決を図るのは限界に来ている。代替地も示されていない。一方で土砂投入の強行は残念だ」と述べた。