沖縄一括交付金95億円減 「県スルー」の交付金新設、19年度政府予算案


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 政府は21日、2019年度沖縄関係予算案を18年度と同額の3010億円と決定した。全体としては横ばいだが、沖縄振興一括交付金は18年度当初予算比95億円減の1093億円となり、12年度の制度創設以降、最も低い額となった。一方、一括交付金を補完する名目で、沖縄県を通さずに国が直接市町村などに資金を交付できる「沖縄振興特定事業推進費」を新設し30億円を計上した。

 昨年に続き、13年に安倍晋三首相が21年度までの3千億円台確保を表明して以降の最少額となった。8月の概算要求との比較では180億円減となった。

 一括交付金の内訳は沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)が561億円、沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)が532億円で、それぞれ18年度当初予算比47億円減った。

 道路などの社会資本整備や学校施設の耐震化などに使われる公共事業関係費などは前年と同額の1420億円を維持した。那覇空港の滑走路増設事業が最終年度に入って空港整備事業費全体で100億円近く減った一方、道路、港湾の整備費を積み増し、工事を加速させる。北部振興事業は同9億円増の35億円、大規模災害が発生した時に想定される観光客避難民への市町村対応を支援することを目的とした新規事業「観光防災力強化市町村支援事業」に10億円を充てる。