卵巣観察に世界初成功 美ら島財団 ガラパゴス諸島で調査


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 【本部】本部町の沖縄美ら島財団総合研究センター研究チームは、ガラパゴス諸島ダーウィン島で野生のジンベエザメを対象に、卵巣の超音波撮影と血液中の性ホルモンの測定に世界で初めて成功した。25日、財団が発表し、「繁殖生態の解明が期待できる」としている。調査期間は9月14~25日。

 ダーウィン島には、メスのジンベエザメが毎年同時期に出現する希少な海域があるという。世界中の研究者が加わる生態調査「ガラパゴス・ホエール・シャーク・プロジェクト」が毎年実施され、ことしは36個体を確認した。美ら島財団から職員3人が参加した。

 財団が開発した水中エコー検査技術、水中採血技術を用い、ジンベエザメの性成熟を判定した。

 研究チームの村雲(むらくも)清美さんは「科学的なデータが蓄積されることで、これまで謎だった生態系の解明と保全につなげたい」としている。

 調査時の映像や超音波画像は22日から美ら海水族館内「サメ博士の部屋」で放映している。