アスティーダ首位撃破 東京に3-1 Tリーグ


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琉球アスティーダ-木下マイスター東京 第4セット、強烈なショットを打つ琉球アスティーダの陳建安=25日、宜野湾市立体育館(ジャン松元撮影)

 卓球の新リーグ「Tリーグ」に参戦している琉球アスティーダは25日、宜野湾市立体育館で第13戦を行い、首位の木下マイスター東京に3-1で初勝利を収めた。4連敗中だった東京から初白星を奪い、アスティーダの戦績は5勝8敗でリーグ4位。第1マッチのダブルスは張一博・江宏傑(ジャン・ホンジェ)組が1-2で敗れ、第2マッチのシングルスは荘智淵(ジュアン・ジーユアン)は3-0のストレート勝ち。第3マッチのシングルスで有延大夢が3-1で勝利し王手を掛けた。第4マッチのシングルスは陳建安(チェン・ジエンアン)が東京のエース張本智和に3-2で競り勝った。 (観客1207人)

◆陳、張本倒し決める/目の前の一球集中、殊勲

 第4マッチ、グランドチャンピオンの張本智和と対戦した陳建安が先に2ゲーム先取したが、フルゲームへ。表情は変わらないが、これまでの木下戦の敗北を振り切るように「目の前の一球だけを考えた」と、改善してきたレシーブで張本のミスを誘って10-8。最後は素早いフォアドライブを決め、観客の大歓声を浴びた。「今までリードしながら負けてきたから、この勝利は自信になる」と、笑みがこぼれた。

 第1マッチのダブルスで江宏傑・張一博組が負けたが、ただでは転ばない1-2の内容にチームのギアが上がる。第2マッチの荘智淵はいぶし銀の粘りで手堅くストレート勝ち。第3マッチは有延大夢が、素早い瞬発力で相手スマッシュを打ち返す。「木下に勝ててなかったので本当に無我夢中で。その緊張感で良いプレーができた」と、相手の脇下を打ち抜く熱いプレーで会場を一気に勝利ムードへ導いた。

 そして、最後は陳が24日の逆転負けや木下への負けイメージを拭い去るフルゲームでの粘り勝ち。勝利の瞬間に両拳を挙げる陳に抱きついた張は「めちゃくちゃうれしかったです」と笑顔をはじけさせた。

 本試合、木下は水谷隼、アスティーダは丹羽孝希とエースを欠いての対戦だが「それでも勝てると分かった」と外間政克監督。殊勲者の陳は「Tリーグは皆強いが、自分も成長している実感はある」と、また少し表情を崩した。
 (嘉陽拓也)