「ハンド王国」沖縄アピール 中学男子県勢、全国3冠 JOC大会、女子は準V


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
男子決勝 沖縄―富山 緊迫する延長戦、果敢な個人技で勝利を引き寄せるシュートを決める沖縄の親泊寛粋=27日、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナ (嘉陽拓也撮影)

 中学ハンドボールの第27回JOCジュニアオリンピックカップ大会の最終日は27日、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナで男女の決勝が行われ、男子の沖縄選抜は延長戦の末に28―27で富山選抜に競り勝ち、7年ぶり7回目の栄冠をつかんだ。チームの主軸を担う神森中(浦添市)が春の選抜、夏の全国中学校体育大会を制しており、「黄金世代」とされるチーム沖縄で、県勢による初の年内3冠を達成した。女子の沖縄選抜は愛知選抜に10―14で涙をのんだが、昨年に続き準優勝と健闘。「ハンド王国沖縄」の存在をあらためて全国に示した。 

 個人表彰で、沖縄選抜男子のGK嵩西颯斗(神森)が最優秀選手賞を獲得。優秀選手に親泊寛粋(同)、オリンピック有望選手に伊礼颯雅(そあ)(同)が選ばれた。女子優秀選手に名嘉陽菜(美東)、オリンピック有望選手にGK比嘉楓(同)が選ばれた。

 男子決勝で勝利の立役者となった一人が嵩西だ。23―23の後半の終盤、富山のロングシュートをはじき、残り十数秒の守備で、サイドシュートを「突っ込んだ体勢だったから下にくる」と読み、腰を低く腕を下げて飛び込み、はじき返した。さえた勝負勘で富山に傾きかけた主導権を奪い返した殊勲の好セーブだった。

 友利彬彦監督は自身も神森中時代に全国優勝を経験した。学生スポーツは強いチームが必ず勝てるわけではなく、その苦しさを知るだけに「どんなにミスをしても勝てるのがすごい。選手はよく頑張った」と繰り返し、選手らから胴上げされ、満面に笑みを浮かべた。