社会

減りゆく除夜の鐘 沖縄県内 人手不足や騒音で

 大みそかの夜に鳴り響く「除夜の鐘」に変化が起きている。近年、騒音を理由に除夜の鐘を中止したり、開始時間を早めたりするケースが全国で起きているが、沖縄県内でも人手不足や近隣住民への配慮から、規模を縮小して実施する寺が増えている。市民からは「時代に即したやり方でいい」と評価する意見がある一方で、変わりゆく“年の瀬の風物詩”に困惑する声も聞かれる。


除夜の鐘の中止を告知する張り紙=29日、那覇市首里当蔵町

 「毎年行っていた除夜の鐘(12月31日)は、今回から取りやめにする事と致しました」。29日、那覇市首里当蔵町にある万松院の施設入り口には、除夜の鐘の打ち切りを知らせる張り紙が掲げられていた。関係者によると、お守りの販売や参拝者の誘導役などの人手不足が理由で、初詣の規模自体を縮小することにしたという。関係者は「毎年、除夜の鐘を楽しみにしていた方々には申し訳ないが、初詣の参拝は例年通りしていただける」とし、理解を求めた。

 那覇市仲井真の住宅地に所在する万福寺では、周辺住民への配慮から今年は除夜の鐘を突く時間を31日午後11時半から翌1日の午前0時半までに設定、従来の2時間半から1時間に短縮した。職員は「一般参拝者の鐘突きは今年も続ける。ぜひ地域の皆さんに足を運んでもらいたい」と呼び掛けた。

 周辺に住宅地が広がる那覇市安里の神徳寺は、以前は大型の釣り鐘を使っていたが、3年前からは音も比較的落ち着いた小ぶりの鐘で除夜の鐘を突いている。副住職の仲尾次盛昭さん(31)は「参拝者の多くが近所の方。迫力に欠けるかもしれないが、アットホームで良いと喜ばれている」と話す。

 仲尾次さんは県内外の同業者、特に小規模の寺が、騒音苦情や人手不足を理由に除夜の鐘や初詣の在り方を模索している事実があるとした上で「形は少しずつ変わっているとしても、新年を前に皆で喜びを分かち合おうという気持ちは変わらないはずだ」と述べ、市民にも理解を求めた。
 (当銘千絵)









  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス







  • 他のサービス