那覇西2回戦敗退 全国高校サッカー 立正大淞南に1―6


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 サッカーの第97回全国高校選手権大会第3日は2日、神奈川県川崎市の等々力陸上競技場などで2回戦16試合を行い、県代表の那覇西(2年ぶり16度目)は立正大淞南(島根、3年連続17度目)に1―6で敗れ、ベスト16入りは逃した。前半はディフェンスラインを上げてプレッシャーを与えつつテンポ良くパスをつなぐ那覇西の持ち味が発揮された。16分に失点するも、37分に相手ディフェンスの裏に出したパスを走り込んだFW高良竜太朗が左足で鮮やかに決め同点に。その後も好機はあったが加点できず、前半終了間際にこぼれ球を押し込まれ勝ち越しを許した。後半は守備が崩されて連続失点。引き離された。

▽2回戦
 立正大淞南(島根)
  6―1(2―1,4―0)
 那覇西(沖縄)
▽得点者【立】藤井3(PK1)石橋、大西、草場【那】高良竜

◇完敗の中にも収穫

那覇西―立正大淞南 前半37分、左足で強烈な同点弾を放つ那覇西・高良竜太朗(中央(9))=2日、神奈川県川崎市の等々力陸上競技場(古川峻撮影)

 開幕戦の初戦(12月30日、対駒澤大高)、最後まで冷静にポジション取りした那覇西のDF陣が、立正大淞南(島根)戦は後半に崩された。相手のドリブルにも翻弄(ほんろう)され連続失点し1―6。平安山良太監督は「力不足」と敗戦を認めた。しかし、「チャレンジできた。次につながる試合だった」と振り返り、奮闘したDF比嘉来揮も「驚くほどパスが回った」と手応えを語った。全国で2試合戦えた充実感がチームを包んだ。

 前半、ルーズボールから先制されたが、比嘉の縦のロングパスや宮城海の意表を突いたサイドチェンジから何度も好機をつくった。37分、主将の東舟道尚吾が相手DFの裏を狙いパス、反応した高良竜太朗が左足で強烈なゴールを決めた。

 平安山監督は「相手が食いついてきたところをバイタルエリアでシュートする。やってきた成果が出た」と同点シーンをうれしそうに評価した。

 その直後に再びこぼれ球を押し込まれ、痛い勝ち越しを許す。しかし「まだいける」(比嘉)と選手らは、1点差で始まった後半へ前のめりで臨んだが、26分に失点し、チーム全体が落ち込んだ。DF陣のマークがずれ、攻守のリズムが狂い悪循環に陥った。「声掛けもチームを盛り上げることができなかった」(東舟道)。勢いを失ったまま点差は開いていった。

 16強入りはならなかったが、テンポ良くボールを回す那覇西のサッカーは通用した。GK新垣凱斗、DF仲程飛雄、MF伊佐航平と3人の2年生が先発し、貴重な全国舞台を踏んだ。東舟道主将は「5年ぶりの初戦突破で、後輩たちに勝利の景色を見せられた。小中学生にも沖縄でもやれることを示せた」と今後の沖縄サッカーの可能性を力強く展望した。

 (古川峻)

◇悔しさ 次に

 平安山良太監督(那覇西)の話 前半はいいテンポでボールを回して好機をつくった。後半の3失点目でチームの気持ちが落ちてしまった。前回は県大会決勝で負けた悔しさをバネにここまできた。全国大会で負けた悔しさも次につながる。