キングス9敗目 大阪に53―61 Bリーグ第31戦


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キングス―大阪 第4Q、リードする大阪のファウル覚悟のブロックでシュートを阻まれるジェフ・エアーズ=6日、沖縄市体育館(田中芳撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは6日、沖縄市体育館で大阪エヴェッサと今季第31戦を行い、53―61で敗れた。通算成績は22勝9敗。

 キングスは連係攻撃をみせたが、大阪のリバウンド力に得点が伸び悩み26―29で後半へ。第4Qはキングスが追い上げる場面もあったが、要所で得点できず、さらに大阪の3点弾に苦しめられ、終盤に振り切られた。

 次戦は16日、福岡県の照葉積水ハウスアリーナ(福岡市総合体育館)でライジングゼファー福岡と対戦する。

▽(沖縄市体育館、3228人)
大 阪(14勝17敗)
 61―53(16―20,13―6,17―13,15―14)
キングス(22勝9敗)

【評】キングスは1Qからコートを広く使う展開で得点を重ねる。しかし、2Qからは大阪の堅守に阻まれ、インサイドを起点とした攻撃ができずに、外からのシュートもリングに嫌わた。後半もシュート率を上げることができず、逆に点差をつけられてしまった。

◆佐々HC「逆境を越える」

 リーグ戦を折り返し、地区首位に立つキングス。それでもけが人が続出し、チームの再編に追われる佐々宜央HCは「せっかくいいチームとして来ていたのに一人一人いなくなるのはつらい」と厳しい状況に苦悩する一面を見せた。

 前半戦のキングスは攻守で我慢強さを発揮し、アルバルク東京に勝ち越すなど強豪相手に勝負できる試合も増えてきた。それだけに不運とも言えるこの逆境の中でも「王者になりたい、勝ちたいと思う気持ちが選手によってバラバラ」と、厳しい姿勢を崩さず、選手に団結と奮起を促す。指揮官には大きな重圧ものしかかるが「佐々ならこの逆境をどのようにするかを期待されている。しっかり乗り越えたい」と、後半戦に向け、前を向いた。

◆明確な攻めが奏功

 穂坂健祐HC(大阪)の話 キングスの守備にどのように攻めるかを明確にしたのがうまくいった。昨日(5日)大敗して絶対に勝たないといけないと話していた。勝つことが難しい、素晴らしいアリーナで勝つことができて良かった。

◆攻撃単調 逆転許す/ゴール下 仕事できず

 新年2連勝を狙ったキングスだったが、組織的な攻撃が決まっていた5日の試合とは一転し、2Q以降は単調な攻撃が続き、得点が延びず53―61と逆転負けを許した。岸本隆一主将は「チームとして練習した攻撃ができず、攻撃が単発になった。自滅に近かった」と悔しさを見せた。

 1Qから両者の堅守が決まり、得点は伸びない。それでもキングスはコートを広く使いながら、外からは須田侑太郎が3点弾を決め、インサイドではジェフ・エアーズがオフェンスリバウンドからしっかり得点を決めるなど4点差で1Qを終えた。

 しかし2Qからは大阪の徹底したマンツーマン守備に、ゴール下のエアーズとアマンゼ・エゲケゼがダブルチームを受けて仕事をさせてもらえず。エアーズがファウルトラブルでベンチに下がる間にエゲケゼをセンターにするも練習不足では否めない。シュートが決まらない焦りでインサイド攻撃も減り、外角弾も決定率が上がらなかった。エアーズは「ペイントエリアでのアタックが少なく、リングに対してのアグレッシブさがなかった」と振り返る。

 新加入選手も入り、新たな体制で挑む後半戦に向け、岸本は「連係もプレーの質もここから上がっていく。自分たちに厳しく突き詰めていきたい」と成長を誓う。
 (屋嘉部長将)