沖縄県の那覇市消防局は7日、火災での人命救助と消火活動に貢献したとして新垣愛佳(あいか)さん(21)ら家族3人に感謝状を贈呈した。専門学校の救急救命士学科に通う愛佳さんは、足腰が悪くて動けなかった70代の女性をおぶって助けた。愛佳さんは「無我夢中だった。助かって一安心です」と話した。
火災が発生したのは12月19日午前0時55分ごろ。隣に住む女性が新垣一家に助けを求める声で火事に気付いた愛佳さんは、母のめぐみさん(40)に119番通報を求め、弟の拓(ひろむ)さん(19)には消火を指示した。日頃から女性とコミュニケーションを取っていた愛佳さんは、女性が一人暮らしで足腰が悪いことを知っていたため、真っ先に女性の助けに向かった。
暗闇と煙の中、引き戸から顔だけ出して動けなかった女性をおぶって救出した。女性と同じ長屋に住んでいた90代の男性は行き止まりの方向に逃げており、めぐみさんが声を掛けて助けた。その後に火は広がり長屋は全焼したが、救助された2人は無事だった。
救急隊員を目指す愛佳さんは、学校で火災を想定した救助訓練などに取り組んできた。「救急救命士の資格を持った消防士として活躍したい。火事を受けて気持ちを強くした」と将来の意気込みを語った。島袋弘樹消防局長は「家族で連携して2人を助けた。自助、共助、公助がそろったモデルケースだ」と話した。