宮古新報 読者不在の清算通告 パワハラ、セクハラ訴えも


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 宮古新報社の座喜味弘二社長に対し、宮古新報労働組合はパワハラ・セクハラ行為をやめるよう繰り返し要求していた。しかし、改善されなかっため、労組は昨年11月に退陣要求に踏み切った。座喜味社長は昨年10月、編集長を突然解雇したことにも労組は強く反発していた。

 労組によると、座喜味社長は外出時、女性社員に車を運転させ、車内で体に触ることがあった。女性社員に自分の爪を切らせるなどの要求もあった。男性社員に対しては業務中に意味もなく怒鳴りつけたり、突き飛ばしたりしたという。買い物の付き添いや自宅の掃除、通院、入院時の世話など私的な用件にも社員を使っていたという。

 座喜味社長は昨年末、労組との話し合いで事業継続に向けて動いていた。しかし、今月になって態度を改め、全社員に解雇と会社清算を通告した。

 宮古新報の今年の新年号には「地域に根ざし、地域とともに歩む新聞としての使命を果たす」との文章が掲載されたが、突然の会社清算は読者不在のままに決められた形だ。社は11日付の紙面で廃刊を知らせる社告を掲載する予定だったが組合の要求で見合わせた。労組は11日以降も紙面を発行する意向だが、人繰りの厳しさもあり、先行きは不透明だ。

 宮古新報社は2018年3月期の決算が約457万円の黒字だったが、18年4月以降は赤字に転落し、座喜味社長が個人資産で赤字を補塡(ほてん)していた。19年3月期の業績は約3千万円の赤字になると試算している。18年3月期までの累積赤字は約50万円だった。

 宮古新報社は1968年、座喜味社長が創業。社によると公称発行部数は1万2000部。