糸数氏、高良氏を支援 参院選沖縄区 出馬断念を表明


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 現職で前社大党委員長の糸数慶子参院議員(71)は10日、那覇市の県市町村自治会館で記者会見を開き、今夏の参院選沖縄選挙区への立候補を断念することを表明した。会見に先立って開いた後援会の理事会にも意向を伝えており、今後は党が擁立を決めているオール沖縄会議共同代表で琉球大学法科大学院教授の高良鉄美氏(64)を支援し、議席維持を目指す。

夏の参院選への立候補断念を表明する糸数慶子参院議員=10日、那覇市旭町の県市町村自治会館

 糸数氏は会見で「県民の意思を受けて昨年末に出馬の意思を伝えたが、党では受け入れられないということになった。県民が分裂する、仲間たちが二分されることを喜ぶのは安倍政権だ。その思いを込めてしっかり頑張っていく」と説明。高良氏について「命と暮らしを守り、運動の先頭に立っている。バトンタッチするのは大事だ。県民と勝ち取ってきた平和の一議席をきちんと守ってくれる」と述べた。

 一方で、政界引退を否定し「会見は引退表明ではない。参院選だけがチャンスではないので、必要だと県民が考えるなら頑張りたい」と今後も政治活動を続ける意向を示した。

 会見に同席した池宮城紀夫後援会長は社大党の候補者選考について「極めて不明瞭で対応に納得できない。今後もそういう選考がなされればオール沖縄の結集した力がそがれる懸念がある」と批判した。

 糸数氏は県議を経て2004年の参院選で初当選。1期途中の06年に知事選に立候補して落選、07年の参院選で返り咲いて現在3期目。改選を迎える今夏の参院選に4選出馬するかどうかに注目が集まっていた。