【中部】米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が15日に沖縄県北谷町の宮城海岸の沖合でフレア(照明弾)を発射した問題で、同基地の第18航空団は17日、米軍普天間飛行場に着陸するため、フレアを意図的に発射したと認めた。発射した機体は嘉手納基地を離陸し、着陸地点を嘉手納から普天間飛行場に変更した4機のうち2機だった。発射は普天間飛行場に着陸する直前だった。嘉手納基地は滑走路が改修工事や緊急着陸の影響で封鎖されていたため利用できなかった。
米軍は「普天間飛行場に嘉手納基地の整備員はいなかった。通常の地上作業ができない場合、フレア放出は着陸および離陸を迅速に行うための標準的な手順だ」と本紙や沖縄防衛局などに説明した。地元からは安全性を懸念する声や2日遅れの通知に対する批判の声が上がっている。嘉手納基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)は18日、幹事会で対応を協議する。
フレアは15日午前10時半ごろに発射された。嘉手納基地では2本の滑走路のうち、北側滑走路が半年間の改修工事中で閉鎖されている。南側滑走路も沖縄市側と国道58号側から緊急着陸した2機のF15が駐機しており着陸できなかった。
北谷町の野国昌春町長は「地域住民からすると危険で、あってはならない。原因は1本での過重な訓練だ。迅速に説明してもらわないと地域住民の皆さんは不安ばかり募る。連絡体制を改善をしていくべきだ」と強く批判した。
嘉手納町の當山宏町長は「滑走路が1本になり、運用に無理が生じると、事故の危険性が増す。訓練を縮小させるか、他の場所に訓練を移転すべきだ」と求めた。
航空評論家の青木謙知さんは着陸直前のフレアの発射について「よほど低い位置で発射した場合を除き、危険性はない」との見解を示した。その上で「機体に支障をきたす危険性はさほどなく、放出する必要もない」と指摘し、米軍が示した「フレア放出」の手順に疑問を呈した。