精巧なつくりで、子どもはもちろん、大人にも根強いファンがいるタカラトミーのミニカー「トミカ」。なんとそこに、那覇市消防局の車両も仲間入り。3月には全国で販売される予定だ。那覇市消防局のどんな車両が、どうしてトミカになったのか。那覇市消防局やタカラトミーに聞いてみた。
トミカになった車両は、ハイパーミストブロアー車。輸送車両に積載された車両は大型ファンを完備しており、輸送車両から降ろして遠隔操作で自走できる。大型ファンは水と風を同時に噴出できるため、市内に多いアーケードなどの密閉した空間での火災に役立つ。さらに、那覇市消防局の特注で、狭い路地に入ることができる大きさに。那覇市の土地に合わせ、全国で那覇市のみが所有する消防車両だ。
そんな消防車両をトミカにしようと思いついたのは那覇市消防局。
ちょうど、岡崎市消防本部の消防車両「レッドサラマンダー」がトミカのシリーズに加わっていたことを知り、「ぜひ那覇市消防局のハイパーミストブロアー車も」と考えた。
総務課の照屋勝也さんは「トミカは、子どもがいる職員はよく見ていたので知っていました。子どもを通じて車両や那覇市の知名度アップにもつながると思います」と期待する。
市消防局によると、タカラトミーの担当者が消防局に赴き、直に車両を見に来たという。タカラトミー広報の担当者は「特徴のある機能とデザインを兼ね備えている消防車であること、トミカのなかでもロングトミカで商品化をすることで再現性も高く実現できる」ことが、商品化の理由とした。
実物の90分の1の縮尺で製造されたトミカでも、大型ファン付きの自走車両が輸送車両から取り外しが可能。大型ファンのホース部分や車体の「那覇市消防局」まで忠実に再現している。
唯一無二のレア感に高い再現性。これは子どもだけでなく、消防マニアや那覇市民の心までくすぐりそうだ。(田吹遥子)