[ココロ・カラダ不思議つながり]64 嫌なこと言われる。どうしたらいい?


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Q.嫌なこと言われる。どうしたらいい?

 

今日の質問は、
「クラスに嫌なことを言う人がいます。お母さんに話したら『その人も嫌なことを言われていて辛いのかもしれないね、あなたが学校に来てくれて嬉しいと思っているお友だちもいるでしょ』と言われました。
先生もその人に注意してくれたけど、全然やめてくれません。学校に行きたくないと思うときもあります。どうしたらいいですか?」です。
小学3年生からです。

 

A.傷つけられて良い人はいない

 

あなたは「嫌だな」という気持ちをお母さんや先生に話せていて勇気のある人だなと思いました。嫌だという気持ちは、大切にしているもの(自分の心や身体も含まれます)が傷つけられたときに自分の中から湧いてくる気持ちです。他にも、怖い、不安、腹が立つ、悲しい、なども「傷つけられているよ」と教えてくれる気持ちです。

世界に一つしかない自分の身体や心、大切にしているものを傷つけられて良い人はいません。

三つのできること

大切にしているものが傷つけられたときにできることが三つあります。

1.「嫌だ」「やめて」と直接相手に言う。「私は嫌な気持ちになったよ」と私をつけて言っても良いです。1人で言いにくいときは友だちについてきてもらうと言いやすいです。もし直接言えなくても、勇気がないとかダメというわけではありません。他にもできることがあります。

2.その人から離れる。近づいてきたときには逃げて良いのです。学校に行かないことも離れる方法の一つです。ただ、友だちと協力して何かをしたり勉強や遊んだりするチャンスが無くなってしまうので、最後の方法として残しておくといいですよ。

3.おとなに話す。まず、気持ちを聞いてもらいましょう。心ってコップのようだなと私は考えています。誰にも聞いてもらえないと、段々と気持ちがたまっていきます。ある程度はためられるけれど、いっぱいになると爆発するようにバーンと飛び出すことがあります。すると、他人や自分、動物や物を傷つけたくなってしまいます。しっかりと気持ちを聞いてもらえて心のコップがすっきりすると、どうしたら自分を守れるか落ち着いて考えることができるようになります。それをおとなに手伝ってもらいましょう。

さらに二つを提案したい

お母さんが言ったように、嫌なことをいう人は自分が傷つけられているけど聞いてくれる人がいなくて、心のコップがいっぱいになっているのかもしれません。あなたが質問に書いてくれた以外にできることを考えたので、提案しますね。

1.「本当に嫌なんだ」という気持ちを相手に直接きっぱりとした態度で言ってみる。言うときの表情や言い方を家で練習すると良いですよ。

2.先生にこの新聞を見せて「その人の気持ちをしっかり聞いてあげてください」と頼んでみる。その人の心のコップの整理を周りのおとなにお願いしましょう。心のコップがスッキリしたら、自分のしたことを振り返りやすくなります。

今日お話したことをもっと詳しく学ぶCAPという授業があります。劇もあるし、その人も一緒にクラス全体で学べます。学校以外でも家の人と一緒に参加できる公開講座も時々あるので、家の人におきなわCAPセンターに問い合わせてもらうといいですよ。分かりやすい絵本や冊子の情報もあります。

徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。

~ この連載が本になりました ~

ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)