米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に関し、沖縄防衛局は大浦湾側の護岸建設で、サンゴ約4万群体を移植せずに工事を進めても影響がないとの見解を示した。22日に開いた環境監視等委員会(委員長・中村由行横浜国立大大学院教授)で報告した。県がサンゴ移植に必要な特別採捕申請を不許可にしても工事を進める狙いがあるが、識者は「護岸を造れば、サンゴに負の影響が出る」と指摘している。
建設を予定するN4、K8護岸のうち、K8護岸の建設予定地には移植が必要な小型サンゴ群が複数ある。水の汚濁や海流、水温をシミュレーションした結果、全長515メートルのうち、250メートルまではサンゴに影響を与えずに建設できるとした。250メートル地点では、最も近いサンゴまで50メートルの近さとなる。
大浦湾側のサンゴ移植を巡っては、防衛局は特別採捕許可を県に申請したが、県は不許可としていた。
委員会では、これまで見つかっていたジュゴンの食み跡が昨年12月から確認できなくなっていることも報告された。
食み跡は、辺野古、嘉陽、安部で最多時には月に計120本見られたが、昨年9月から減少傾向となり、昨年12月と1月は見つからなかった。
中村委員長によると、委員会の議論で委員らは、工事内容との関連を鑑み「工事の影響とは考えにくい」との見解を示したという。