辺野古県民投票 元山代表「希望見えた」 2択ならず複雑さも


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 県議会の与野党が県民投票を3択で実施すると決めたことを受け、署名を集めた「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表らが25日、県庁で会見し「歩み寄りを歓迎する」との声明を発表した。全市町村での県民投票実施がかなう一方、賛否の二者択一での実施を求める声が根強くあったことから元山代表は「安堵(あんど)した気持ちはあるが、複雑な心境だ」と語った。今後「どちらでもない」と考えている人に向け、明確な賛否の意思表示ができるよう「全力を尽くす」と決意を語った。

記者会見で、県民の理解と協力を求める「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎代表=25日午後、県庁

 「私たちとしてはもちろん2択でやりたかったし、5市長が投票権を奪うことがあってはならないと思う」。会見で元山代表は語気を強めた。その上で「与野党が一つの合意形成に達したという点は評価できる」と真っすぐ前を見て語った。

 自民党が提出した「やむを得ない」などを選択肢とする独自案については、新基地建設問題は「日本全国の自治体が等しく候補地となり、新たな選択肢を模索する必要性が出てきているのではないか」と訴えた。

 24日は、県議会の調整会議が午前中から夜間まで断続的に開かれる中、結論が出ない状態に「ちむわさわさーして落ち着かない状態だった」という。午後11時前、新里米吉議長から県議会がまとまったと連絡が入ると「すごく安堵した」と振り返る。

 元山代表は、不参加を表明した5市長が参加表明するよう求め、15日から19日まで宜野湾市役所前でハンガーストライキを実施した。5市長の参加表明がなかったことに悔しさもにじませるが、全県実施が見込まれることになり「勇気を持って行動すれば、何か変わるかもしれないと希望が見えてきた」と表情を緩ませた。

 ハンガーストライキと同時に始めた全県実施を求める請願署名には、1週間で計6469筆が集まった。集めた署名のうち宜野湾市分を25日、市に提出。沖縄、うるま、石垣、宮古島の4市には週明けに提出する。