駅伝の県高校新人体育大会・第26回県高校新人競争大会は25日、今帰仁村総合運動公園を発着点とし、同公園付帯公認マラソンコースと本部町をコースに、男女とも5区間21.0975キロで争った。男子はコザが4区(3キロ)で5位から一気に1位に躍り出て、1時間7分38秒で2連覇を達成した。優勝は11回目。女子は名護が1時間18分55秒で2連覇し、8回目の栄冠をつかんだ。男子5区(5キロ)の山城弘弐(コザ)は15分21秒で、4区の饒平名寛弥(同)は9分3秒で区間新記録を樹立した。男女の優勝校は3月に鹿児島県で開催される九州選抜駅伝に出場する。
◇コザ、チーム力で逆転劇
男子のコザは饒平名寛弥が大会直前に太ももに痛みが出て、予定の1区(6キロ)から負担が少ない4区(3キロ)に変更するなど、大幅に配置を変えた。苦しい展開も予想されたが、「アンカーのエース(山城弘弐)に頼らず優勝する」(嘉陽英斗)と逆に全員が奮起。中でも饒平名は「チーム力で勝ちたかった」と4人を抜き去りトップを奪い、2連覇を引き寄せた。
饒平名は1位の北山から58秒差で出走した。1キロ走っても差は埋まらず、焦ったという。しかし長い距離に慣れ、十分に余力があった。「粘ったら抜ける」と1・5キロ地点で名護を捉え、「これはいける」とさらに2人を抜くと、兼箇段賢監督が「トップに立て」と車中から指示。中継所で待つ山城の「ラスト」の掛け声もありスパートし、残り20メートルで北山を捉えた。
仲間がつないだ1位のたすきにエースが応えた。「すーと抜けるように軽かった。自分の中にリズムができた」(山城)と快調に飛ばし、両手を振り上げてゴール。すぐに「区間新」と叫ぶほど、納得いく走りだった。この日のコースは2017年秋の九州大会の最終区と全く同じ。当時区間1位だった九州学院(熊本)の選手の記録を11秒も上回る快走だった。
エース区間の1区を急きょ任された嘉陽英斗も「びっくりしたけど対応する」と慌てず、3位と好順位でつないだ。1年で走った2区(4・0975キロ)の知念凛斗と3区(3キロ)の上運天龍人も力を発揮し、5位に踏みとどまり、逆転劇につなげた。
九州大会に向け兼箇段監督は「1年生にも経験値を積ませてチームを強くしたい」と意気込んだ。
(古川峻)
◇名護、5人の部員で圧勝 全国見据えた走り
駅伝部員は5人の名護女子。選手層は限られているが、「都大路」や都道府県対抗駅伝などを経験したメンバーもおり、共有する全国を見据えた走りでたすきをつなぎ、2位以下を圧倒した。けがなどで万全ではない選手もいる中での2連覇に、伊野波理桜主将は「挑戦者の気持ちで勝ててほっとした」と笑顔を見せた。
1区(6キロ)の渡慶次日菜は北山に1位を譲り2位でスタートした。2区(4・0975キロ)の仲愛琳がトップの北山が途中棄権したために1位に立ち、3区(3キロ)の吉元花が後続との差を広げ、独走状態となった。最終5区(5キロ)の伊野波は「最後の上り坂がきつくなったけど楽しもう」と気負いなく走りきり、2位の那覇西を2分55秒引き離しゴールした。
チーム内の競争が名護の特徴だ。全国を知る渡慶次と吉元は「バチバチにやり合う」(渡慶次)と、練習時からライバル心を持ち高め合う。この日も部員全員がレースに出場。4区(3キロ)の荻堂李々花は「チームの中で一番力がない」と話すが、5区へしっかり1位でつなぎ、「先輩、安心して走ってください」と自身の役割を果たした。
チームの課題は5人全員がけがなく大会を迎えることだ。九州大会に伊野波主将は「積極的に仕掛ける」と個々の力を信じている。
(古川峻)