「県民をばかにしている」 県民投票前に新護岸着工 「沖縄に寄り添ってない」政府に怒り


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米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り、新基地建設反対を訴える市民ら=28日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】沖縄防衛局が28日、新基地建設で新たな護岸「N4護岸」の造成に着手したことについて、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議する市民から「県民の意思に寄り添っていない」「県民投票を前にして、県民をばかにしているのか」など怒りの声が上がった。

 この日、市民約90人は新基地建設反対を訴え、ゲート前に座り込んだが、機動隊に排除され、工事車両が資材を次々と搬入した。那覇市から座り込みに参加した大城博子さん(67)はN4護岸着工に「国は県民投票を前に工事が進んだことを強調し、県民に新基地建設反対を諦めさせるつもりだ。しかし、政府が工事を進めるほど県民の怒りを買うだけだ」と強調した。

 「政府のやり方は本当にひどい」と憤るのは沖本富貴子さん(68)=八重瀬町。「憲法学者が政府の新基地建設を自治侵害と指摘し、大浦湾に軟弱地盤があることが分かっても、国は工事を止めない。全然県民に寄り添っていない。誰のための国家なのか分からない」と政府を批判した。

 福島皎裕(こうゆう)さん(68)=大宜味村=は「県民が本気になって怒らないと政府は工事を止めない。県民投票で民意を示すべきだ。私たちの命を育む海を壊し、戦争につながる基地を造っていいのか」と訴えた。