北部看護学校、名桜大移行へ 設立協4月発足 公立化し短大制に 基幹病院開設へ対応


この記事を書いた人 大森 茂夫
名桜大学に組み込み、公立の短期大学にするために協議会が発足することになった北部地区医師会北部看護学校=30日、名護市為又

 【北部】沖縄県名護市の北部地区医師会が運営する北部看護学校を3年制の短期大学として名桜大学に移行するため、設立協議会を立ち上げることが30日、分かった。県立北部病院と北部地区医師会病院を統合した北部基幹病院設立に伴う看護師の確保が狙い。4月に北部広域市町村圏事務組合と名桜大、北部地区医師会などで協議会を設置し、看護学校の公立化に向けて詳細なスケジュールや方針、運営体制などを固めていく。

 文科省に申請し認可されれば、公立としての運営が始まる。北部看護学校の公立化については、北部地区医師会がこれまで医療の質の確保のために北部市町村会に公的支援などを求めていた。市町村会は医師会の要望を受け、2018年6月に検討委員会を設置。名桜大に北部の医療体制充実のため、看護学校を短期大学部か専門職短期大学部として設置するよう要望していた。

 名桜大は市町村会からの要望を踏まえ学内で検討、看護学校を公立の短期大学として移行させる方針を決めた。

 公立化されることで年間約100万円かかる学費が半額になり家計負担が縮小することで、地元の北部地域出身者が受験しやすくなり北部における看護師の確保がより確実となる。

 現在、県立北部病院と北部地区医師会病院で約530人の看護師が従事しており、二つの病院を統合した基幹病院でも同等数の看護師が必要とされる。名桜大によると、当面は北部看護学校の敷地と校舎を使用し、将来は大学院看護学科研究科博士課程の設置を見据えた教員公募を行うことも想定している。
 (阪口彩子)