沖縄の観光税は「宿泊税」で定額に 税額は一律200円と200円と500円の二段階方式の二案


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観光目的税制度の導入に向け課税対象や税率について議論する観光税制度検討分科会=30日、那覇市西の県自治研修所

 沖縄県文化観光スポーツ部は30日、観光目的税制度の導入に向けた検討委員会(下地芳郎委員長)で、具体的な制度設計を議論する観光税制度検討分科会(湧川盛順分科会長)の第3回会合を開いた。税の名称は「宿泊税」で1人1泊ごとに課税する。税率は宿泊料金で変動する定率ではなく、定額にまとまった。1人1泊につき200円の一律定額方式と、1人1泊1万9999円までは200円、2万円以上は500円の二段階方式の二つに絞った。

 税収は一律で52億9千万円、二段階で56億8千万円と試算され、徴税コストを差し引くといずれも50億円前後の予算確保が見込まれる。対象はホテル・旅館、民泊などの宿泊で、下宿営業は除外した。税の公平性の観点などから、県民や子どもも対象。修学旅行は誘致への影響が懸念されるとして、海外も含めて課税免除の対象に盛り込んだ。

 宿泊税は基金創設が検討されており、沖縄が世界に誇れる観光リゾート地として発展することを目指し、県民生活と調和した持続的な観光振興を図る施策に充てるとしている。使途は(1)持続可能な観光地づくり(2)利便性・満足度の向上(3)受入体制の充実・強化(4)県民理解の促進―の4項目とし、詳細は今後決める。

 分科会は今後、案を検討委に報告する。1~2年程度で制度の見直しを行うことなどを求める留意事項もまとめた。