安倍首相「南側指した」 サンゴ移植発言 正当性を主張


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安倍晋三首相

 【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、安倍晋三首相がNHK番組で「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移している」と事実と異なる発言をしたことについて、首相は30日の衆院本会議で「あそこ」の場所が埋め立て海域南側の護岸で仕切られた区域を指していたとの考えを打ち出し、正当性を主張した。立憲民主党の枝野幸男代表への答弁。

 現在土砂が投入されている区域ではサンゴの移植は行われていない。埋め立て海域全体では政府が移植対象とするサンゴは約7万4千群体あり、移植済みは9群体にとどまる。このため、6日のNHK番組での首相の発言は事実ではないとの指摘が相次いでいる。

 首相の言う「あそこ」はどこだったのかと枝野氏に問われ、首相は現在土砂を投入中の区域と、3月に埋め立てが予定される隣接区域を含めた「埋め立て海域南側」を指しているとの考えを強調した。両区域とも護岸で仕切られており、うち隣接区域では一部だが政府が保護対象とするサンゴが移植されている。