オリオンビール(浦添市)の買収を手がける野村キャピタル・パートナーズ(NCAP)の前川雅彦社長と、カーライル・ジャパン・エルエルシーの富岡隆臣マネージングディレクターは31日、琉球新報の取材に応じ、今後の事業展開などを説明した。両社はオリオンの県内シェアを5割超まで回復させることを目標としている。オリオンが保有するホテルなどの不動産は「転売することはない」と断言した。
オリオンのビール類県内売上数量は、競争の激化や酒類の多様化などの影響を受けて減少傾向にあり、県内シェアは50%を下回るという。NCAPとカーライルはマーケティングや営業を強化し5年間で県内シェアを5ポイント上昇させ、50%台の前半まで回復させることを目指している。売上高の目標値などもオリオン経営陣と調整しているという。
ホテル事業について、富岡氏は「キャッシュフローを生み出す素晴らしい事業で、資産を現金化することはしない」と説明する。前川氏は「(ホテルの)価値を上げるための投資をして新しいものにしたい。価値のある事業を売ってしまうと、長期的な視点で見た場合の収益を失うことになる」と話した。
オリオンの経営に携わる期間は5年程度としているが「目指すべき姿に到達するまでやるイメージで(5年から)伸びることもある」(前川氏)としている。将来的な新規株式公開(IPO)も目標としており、株式分割などを実施して県内企業や県民が入手しやすい価格に抑えることも検討しているという。