話芸巧みに観客を圧倒 琉球旅成金 講談や落語披露


社会
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緩急に富んだ調子で「中村仲蔵」を語る講談師の神田松之丞さん=2日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 東京演芸界二ツ目集団「旅成金」初の沖縄公演「琉球旅成金 in 琉球新報ホール」(琉球新報主催・ラジオ沖縄共催)が2日、同ホールであった。全国的に人気を集める講談師の神田松之丞(まつのじょう)さんと、落語家の瀧川鯉八さん、柳亭小痴楽(りゅうていこちらく)さんの3人は、抑揚の効いた巧みな話芸を放ち、満場の観客を魅了した。

 松之丞さんは講談「中村仲蔵」を披露した。張り扇をたたきながら、歌舞伎役者の中村仲蔵が名優となった理由を、緩急に富んだ調子と迫力のある所作で伝え、観客を圧倒した。

 小痴楽さんは古典落語の「佐々木政談」で、切れのある口調で奉行と頓知の利いた子どものやりとりを演じた。

 そのほか鯉八さんは創作落語を披露した。崖から飛び降りようとする女と引き留めようとする男のやりとりを面白おかしく演じ、会場を沸かせた。

 夫と一緒に会場を訪れた又吉明美さん(62)=浦添市=は「初めて講談を聞いたが、とても面白かった。神田さんの一つ一つの言葉が力強くて終始聞き入った」と話した。