市郡対抗駅伝初日 島尻、高い総合力誇示


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 県知事杯第42回沖縄一周市郡対抗駅伝競走大会(主催・沖縄陸上競技協会、共催・県、琉球新報社、ラジオ沖縄、沖縄テレビ放送、特別協賛・沖縄電力、JAおきなわ、日本トランスオーシャン航空、協力・アイサム、県ランナーズクラブ連合会)は2日、奥武山公園をスタートし、開幕した。第1日は国頭村役場までの往路の17区間(160・4キロ)で、島尻郡が9時間13分06秒で走りトップに立った。2位は国頭郡の9時間19分34秒、3位は八重山郡の9時間23分27秒、4位は名護市の9時間30分01秒だった。区間新記録は3区(11・8キロ)の池田一生(国頭郡)の39分20秒、5区(10・5キロ)の山城弘弐(沖縄市)の34分01秒、12区(13・3キロ)の宮城武斗(国頭郡)の43分52秒だった。レースは金武中央公民館までの初日前半を島尻郡が圧倒、後半のゴール地となる国頭村役場にも2着でゴールして総合力の高さを示した。第2日は午前7時に国頭村役場を出発し、奥武山公園(那覇市)を目指す。

◇6分28秒差 連覇照準

島尻郡6区の田島光(右)からトップでたすきを受け取る7区・金城翔理=2日、うるま市大田(ジャン松元撮影)

 連覇を狙う島尻郡は、初日前半のランナーがつくった5分26秒の貯金を、後半はさらに広げ、2位に6分28秒差をつけ、堂々の首位に立った。区間賞も四つ。チームの総合力を見せた。13回目の出場で、1日目のアンカーを務めた久手堅秀誓(中部徳洲会病院)は「ベテランらしいレース運びができたと思う。監督やコーチ、選手にも恵まれていて、ことしは特にいい」と充実感を示した。

 41年前から監督を務める具志堅政隆監督は、大会設立メンバーの1人だ。コースはもちろん、選手たちのことも「よく分かっている」と自他とも認める。心強い指揮官の下、メンバーは力強い走りを披露した。

 レースは4区の津波尚吾(沖縄県警察)が2位でたすきを受け取ると、粘り強くチャンスをうかがい、中盤でトップに躍り出た。その後6区の田島光(知念高―関東学院大)、金城翔理(糸満高)らが「うれしい誤算」(具志堅監督)の快走ぶりで、後続をどんどん引き離していった。良い流れでつないだ後半も勢いは衰えなかった。

 前半アンカーの永村祐(沖縄国際大職員)は「(島尻のメンバーは)本当に頼もしい」の一言。大きくリードした初日だが、具志堅監督は「駅伝だからね。まだまだ気が抜けない」。気は緩めず、2連覇へひた走る。

 (喜屋武研伍)

◇2位国頭 仲井真、意地の地元1着 優勝へ増す勢い

16区、第1日のゴールとなる国頭村役場前を首位で駆け抜ける国頭郡の仲井真タイ剣人=2日、国頭村

 第1日の最終17区間(7・9キロ)のゴール地点で応援に駆けつけた村民の期待に応えるように、国頭郡の仲井真タイ剣人(北山高校)が八重山を抜き去って1着でゴールテープを切った。第1日の総合順位では島尻郡に続く2位。「ここ(国頭村役場)を最初にゴールするのは自分だと決めていた」と話し、駆け寄って背中をたたく姉と笑顔を交わした。

 第1日は3区(11・8キロ)で池田一生(沖国大)が「(昨年の同区間記録を更新した)糸満市の堀井勇希さんと競り合うことでいい走りができた」と振り返るように、39分20秒の区間新を樹立。着順でも上位を維持し、前半最後の第8区(11・5キロ)を稲福北斗(沖国大)が3着でゴールした。

 後半、中学生区間最後の11区(3・8キロ)で森山摩周(今帰仁中)が首位を奪うと、続く12区(13・3キロ)を宮城武斗(沖国大)が後続を引き離して快走した。「この2区間で勢いに乗った」と嘉味田朝一コーチ。最終17区はトップに1分数秒差をつけられてのスタートだったが、嘉味田コーチも仲井真も「ここは地元。必ず抜ける」と確信。沿道の声援を力に国頭郡の意地を見せた。

 総合成績では首位の島尻郡とは6分28秒差。嘉味田コーチは「結構きつい差だが、しっかり走って追いついていきたい」と力を込めた。

 (嘉陽拓也)