ドローンなど小型無人機に関するテロ対策立法で、米軍の施設・区域も飛行禁止対象施設に加える方向で検討されているのは、在日米軍専用施設面積の約7割が集中し、沖縄本島の約2割が米軍基地に占有されている沖縄にとっては、米軍機事故や事件の取材活動で大きな支障が出るのは必至だ。
規制が適用されると、県民の知る権利が一層狭められ、現状でも不明なことが多い基地内の実態にさらにベールが掛けられることになる。米軍は度々、辺野古新基地建設現場の撮影で報道各社が飛ばすドローンの飛行について日本側に規制を求めていた。ドローン規制は、この米側要求も背景にあった。
政府側は、米軍機などの墜落現場が緊急的に対象とされることはないとしているが、沖縄では米軍機の墜落は市街地に加え、提供区域内でも度々発生している。
これまでの本紙取材でも、米軍機事故で「墜落」したことを認めない米軍側に、墜落機の画像を示すとクレームを取り下げた事例があった。米軍施設内の事故機の撮影が基地被害の実態を正確に知る上で重要であることから、新聞協会は官房長官に対してドローン規制に反対する意見書を提出するに至った。 (滝本匠)