沖縄発動画チャンネル 912万再生 波乱万丈の仲本さん 写真・旅でロマン代行


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 インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で、登録者数がうなぎ上りとなっている沖縄発のチャンネルがある。プロフォトグラファーのナカモトダイスケ(仲本大祐)さん(30)=豊見城市=らが配信する「サンセットスタジオTV」だ。内容は写真撮影のハウツーや旅が中心で、総再生回数は開始2年で912万回を超える。月間再生回数は写真分野で日本一といい、ナカモトさんは「視聴者を未知の世界へ連れて行きたい」と意気込んでいる。

本部町のヒカンザクラを背景に写真の撮り方をレクチャー(ユーチューブの一場面から)

 「はいさい!」。1月下旬、那覇市内のスタジオで収録が始まった。ナカモトさんを中心に、メンバーのちゃんまりさん(27)、じょんじさん(21)が軽妙な掛け合いを見せる。

 この日のテーマは「旅に持って行って良かった物9選」。現在は中断しているが、3人は昨年11月から、車中泊で日本一周の旅に挑戦している。

 2017年2月に動画配信を始めた。チャンネル登録者数は18年9月に3万人を超え、10日現在で約5万6千人。これまで約440本の動画を配信しており、総再生回数がここ4カ月で400万回を数えるなど、ファンが急増している。

 ネタをひねり出すナカモトさんは、ジェットコースターのような急上昇、急降下の人生を歩んできた。

人気ユーチューブチャンネル「サンセットスタジオTV」を収録するナカモトダイスケさん(中央)ら=1月24日、那覇市安里

 すし職人を目指して北海道に渡り、高校に通いながらすし店で働いていたが、突如サバのアレルギーを発症して退職。半年間、ホームレス状態となった。2年間のサラリーマン生活の後、今度は愛知県で写真家を目指した。写真は独学。「企業に就職できないように」と腕や指にタトゥーを入れ、自らを崖っぷちに追い込んだ。

 出版社や広告代理店に猛アタックしたものの壁は厚く、3カ月で貯金が尽き、「第2期ホームレス生活」(ナカモトさん)に突入した。その後、音楽グループ「AAA(トリプル・エー)」の販促用写真を手掛けたのを機に攻勢に転じ、スタジオ会社を興した。

 16年春の帰郷後もウェディングや広告写真を撮ってきた。動画撮影や編集の経験もあったことから、「沖縄の魅力と写真の楽しさを伝える」ユーチューブの配信を始めた。最近は写真撮影のハウツーにとどまらず、アウトドアの実践なども映像にしている。

 掲げるのは「ロマンの代行」だ。「『ここに行って』と示された場所に行き、空撮、水中撮影、360度カメラ、何でも撮る」とナカモトさん。近くVR(仮想現実)技術を導入する予定で、「視聴者にメンバーとの旅を疑似体験してもらう。行動力と想像力を駆使して、新しい世界をどんどん見せていきたい」と力を込めた。(真崎裕史)

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