設備増設の工事着手か 米軍嘉手納基地・特殊作戦群 周辺自治体は反対


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 【嘉手納】米空軍嘉手納基地に拠点を置く第353特殊作戦群の設備増設計画に基づく工事に米軍が着手したとみられることが分かった。着工に当たり米軍は昨年12月、MC130特殊作戦機の駐機場の移動を沖縄県嘉手納町(當山宏町長)に申し入れていた。12日までに同機が北側滑走路の国道58号側から県道74号の屋良地区の住宅地付近に移駐していることが確認された。

 MC130特殊作戦機が駐機しているのは、通称「パパループ」と呼ばれる地区。県道74号沿いにあり、屋良地区の住宅地に隣接している。米軍は昨年12月、工事に必要な駐機場移動を町に申し入れたが、町は騒音増大などの懸念から反対の意向を示していた。

 パパループでの駐機を確認した近隣住民は「エンジン調整音が聞こえ、午後11時を過ぎても騒音がひどくなっている」と訴えている。當山町長は12日に開かれた県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の場で、同地区の長期的な使用は住民負担につながるとして、米軍側に抗議した。

 米軍によると、工事は既存のMC130の駐機場周辺を開発し、関連施設を1カ所に統廃合する。計画について沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)は基地の機能強化とCV22オスプレイ配備への懸念から一貫して反対している。