未来変える新技術展示 沖縄セルラー、15日も5GやVR体験


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半球体スクリーンでVR体験をする参加者ら=14日、那覇市松山の沖縄セルラー電話

 沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)は14日、那覇市の沖縄セルラービルで、KDDIグループの最新技術や研究結果を集めた展示会「OPENLAB(オープンラボ)inOkinawa」(共催・KDDI、KDDI総合研究所)を開催した。高速、大容量通信や多数の端末との接続が可能な第5世代(5G)移動通信システムの取り組みなど、25の研究成果を県内の関係企業に紹介した。15日も実施される。

 AR(拡張現実)とAI(人工知能)を活用したバーチャルキャラクター「レナちゃん」による展示内容のガイドや、世界初という12K写真の360度画像対応VRを使った観光地ツアー、スマホ位置情報のビッグデータを用いた災害時の支援や観光動態分析、VR技術を活用した遠隔会議などが展示された。

 特別展示の「みんなでVR」では、従来ゴーグルなどの機器が必要だったVR(仮想現実)を、半球体のスクリーンを使うことで複数人で一緒に体験できる。大容量の高精細画像を送信するのに5G技術を活用する。参加者は映像に合わせて動く座席に座り、スクリーンに映されるドローンやモータースポーツレースの映像を楽しんだ。

 KDDI技術統括本部技術企画本部長の赤木篤志執行役員常務は「通信インフラとして5Gが整備されれば、例えば東京と地方で同じ体験ができるなど、距離がなくなり生活の大きな変化が生まれる」と話した。

 KDDI総合研究所の中村元・取締役執行役員副所長は、同グループの5G技術戦略について講演した。技術的な課題として、5Gは周波数の高い電波を使うため見えない部分への「回り込み」ができず、届く範囲が限られることなどを説明した。対策として電波を絞り込んでピンポイントに送る技術の開発や、景観に溶け込む街灯型やマンホール型の基地局を数多く設置することで死角をなくす方法などを紹介した。

 オープンラボ事務局の田中健介課長は「観光業などで生じている人手不足などのサポートもできると思う」と話した。