沿道一体 ランナー後押し おきなわマラソン


この記事を書いた人 アバター画像 桑原 晶子
ランナーたちを太鼓や三線などの演奏で応援する海邦町自治会の人たち=17日、沖縄市の海邦橋付近

 ランナーの火照りを冷ますひんやりとした風が吹く、絶好のマラソン日和に行われた第27回2019おきなわマラソン。対照的に沿道の応援は熱を帯び、ゴール目指して走る人たちを奮い立たせた。沿道に立つ住民やすれ違う車両からは絶えず「頑張れ」「諦めないで」との声が飛び交った。ランナーの背中を押すもう一人の主役たちの奮闘が大会をもり立てた。

 スタートから約5キロ地点。最初にランナーを出迎えた応援団は沖縄市海邦町自治会と海邦町小嶺三線クラブだ。「カリー(嘉例)」の掛け声と三線の軽快なリズムがランナーたちの緊張感を和らげる。三線を習い始めて約2年だという赤嶺陽奈さん(11)は「ランナーと一緒に頑張りたい」と懸命に声を張った。

 勝連城跡を横目にした難関の急勾配を上った先で出迎えたのは、うるま市立与勝中と与勝第二中、彩橋中によるマーチング演奏。「ダイナミック琉球」の迫力ある演奏がランナーを勇気付けた。安里莉海(りみ)さん(14)は「完走できるように祈っている」とランナー一人一人がゴールできるよう願いを込めて応援に力を入れた。

 うるま市を中心に活動する子どもたちの創作エイサー団体「風わらび」は、エイサーを披露した。チョンダラーの格好をした21人の子どもたちの滑稽な振る舞いに苦しそうな表情のランナーからも笑みがこぼれた。田中來樹(らい)さん(11)=田場小5年=は「笑って元気をもらって」とおどけて見せた。

 ランナーの渇いたのどを甘く潤わせたのは読谷村産イチゴ「ベリームーン」。同じく村産トマトと紅芋タルトを両手に抱え、読谷村商工会の比嘉幸夫事務局長は「栄養を補強して頑張れ」と自慢の村産品を振る舞い、ランナーを激励した。

 40・4キロ地点、最後の給水所に立っていたボランティアの小林美津江さん(74)=北中城村美崎=は「ここまで走ってきた皆さんは頼もしい」と、ゴールまでラストスパートをかけるランナーへの応援に力を込める。最後は「選手との一体感を感じられた」と笑顔を見せた。