沖縄・恩納村に一風変わった自販機 売られているのは…新たな観光資源に


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クレストの池原稔代表(左から2人目)とおんなの駅を管理するONNAの与儀繁一専務(同3人目)ら=8日、恩納村仲泊のおんなの駅「なかゆくい市場」

 【恩納】琉歌を観光資源に―。恩納村仲泊の「おんなの駅なかゆくい市場」に8日、一風変わった自動販売機が設置された。販売するのは琉歌がプリントされたストラップ型お守り。設置・運営するクレスト(嘉手納町)の代表取締役・池原稔さんは「琉歌は沖縄が誇る独自の文化だ。心に響く歌があれば、人生の支えにしてもらいたい」と語った。

 クレストは医療・介護システムの開発販売を手掛ける傍ら、しまくとぅばの話芸を学ぶ「沖縄演芸学園」を運営したり、インターネットラジオ「しまくとぅば放送局」を放送したりするなど、しまくとぅばの普及にも取り組む。池原さんはしまくとぅば連絡協議会会長も務める。

恩納ナビーの歌がプリントされた琉歌お守りストラップ

 クレストはこれまでにも、しまくとぅばと島唄が流れる自動販売機や「琉球いろは歌」お守りの自動販売機を県内各地に設置してきた。池原さんは「言葉は意思伝達の道具だ。需要がなければなくなってしまう。さまざまな形で資源化することで需要を興し、文化の継承につなげたい」と語る。

 琉歌お守り自動販売機はしまくとぅば資源化の第3弾の取り組み。琉球王国時代の女流歌人・恩納ナビーの歌や、恩納村が主催する琉歌大賞の大賞受賞者の歌など40首がずらりと並ぶ。スピーカーからはしまくとぅばラジオも流れる。観光客にとっては言葉と歌、沖縄文化を手軽に楽しめる小さな土産店だ。

 おんなの駅を管理するONNAの専務取締役、与儀繁一さんは「恩納村に密着した面白いお土産だと思う。しまくとぅばの柔らかい響き、優しさも琉歌の魅力の一つ。うちなーの子どもたちや観光客にその素晴らしさが伝わってほしい」と語った。