那覇港 国際クルーズ拠点に追加選定 官民連携 大型船専用の施設整備へ


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 国土交通省は1日、「官民連携による国際クルーズ拠点」形成港湾に那覇港を追加選定したと発表した。今後、港湾法に基づく正式な指定を受ければ、那覇港管理組合(管理者・玉城デニー知事)は海外大手船社のMSCクルーズ(スイス)、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(米国)の2社と連携し、那覇港新港地区に大型クルーズ船専用岸壁と旅客ターミナルの整備を進める。

 これまで県内から本部港と平良港が国際旅客船拠点形成港湾の指定を受けている。那覇港が追加の選定を受けたことにより、国直轄による岸壁整備が2019年度の新規事業として採択される見通しとなった。22年の新ターミナル完成に向けた整備が動き出す。

 那覇港では若狭のクルーズ船ターミナルだけでは全ての寄港需要に対応できなくなっているほか、16万トン級以上の船舶が接岸できず近年の旅客船の大型化にも対応できていない。

 このため2番目のクルーズ船専用岸壁を那覇市港町地先に埋め立て整備することを計画。国が進める民間資金を活用したクルーズ拠点形成事業への指定を申請した。

 計画では世界最大の22万トン級の船舶も接岸できる岸壁を、国と那覇港管理組合が事業費を負担して整備する。CIQホールや待合所、商業施設、観光案内所などを有する旅客ターミナルビルを船社2社の資金で建設する。

 学識経験者等で構成される「官民連携によるクルーズ拠点形成検討委員会」で計画書を評価し、那覇港と下関港の追加選定を決めた。

 委員会では那覇港について「フライ&クルーズへの取り組みや南西諸島周遊クルーズの提供など、今後の寄港回数増加が見込まれる」「沖縄県全体としての推進体制を確認した」などと評価した。