インパール作戦 史実継承 インド平和資料館建設委員 南風原で展示手法学ぶ


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 【南風原】第2次世界大戦中の旧日本軍による「インパール作戦」の舞台となったインド北東部に建設している「インパール平和資料館」の建設委員会のメンバー5人が2月28日、3月1日、南風原町の南風原文化センターや沖縄陸軍病院南風原壕(ごう)群20号壕などを訪れ、歴史事実を伝える展示方法や取り組みなどを学んだ。

大城和喜さん(左端)の案内で、戦時中の南風原の展示を見るインパール平和資料館の建設委員会のメンバーら=1日、南風原町の南風原文化センター

 案内したのは南風原文化センターの立ち上げに尽力した大城和喜さん(69)。インパール平和資料館の建設委員としても関わっている。

 大城さんは、展示品を来場者が触れるようにしていることや、南風原の地域の出来事を書き入れた年表、南風原の戦没者全員の名前を刻んだ展示など、さまざまな工夫を紹介。大城さんは「資料館では、事実だけを伝えることが大切だ。住民の証言で、当時の人々の思いが伝えられる」と語った。

 インパール平和資料館の建設主体であるマニプール観光協会のタンザム・ダバリ前会長は「インパール作戦は、語り継がれていたが記録が何もなかった。訪れた人が戦争のことを学べる場所にしたい」と資料館にかける思いを語った。

 南風原文化センターは、町民から寄付された物を多く展示している。委員からは「人々が実際に使っていた物が保存され展示されていて良かった」などの声があった。

 委員の一人で、第2次世界大戦インパール作戦財団のラジシュア・ヤンマン会長は「人々の命が何よりも大切だと伝わる展示だった。平和の礎では敵も含めた全ての戦没者の名前があることに感動した」と語った。

 インパール平和資料館建設には日本財団や笹川平和財団などが協力し、6月22日にインド北東部マニプール州インパール近郊の激戦地「レッドヒル」の麓に開館予定。日本側の資料がほとんどないため、国内で提供者を募っている。問い合わせは日本財団(電話)03(6229)5111。