ダイキン女子ゴルフ7日開幕 沖縄県勢 入念に調整


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力強いティーショットを放つ宮里美香=4日、南城市の琉球GC

 7日から始まるゴルフの国内女子ツアー開幕戦「第32回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」(南城市・琉球GC)の大会を前に4日、参加選手がコースを使い、練習を始めた。沖縄県勢の出場予定はホステスプロの諸見里しのぶや新垣比菜のほか、比嘉真美子、上原彩子、宮里美香、大城さつき、山城奈々、上原美希、川満陽香里、金井智子のプロ選手やアマチュア選手権で予選を勝ち抜いた金城沙希(名護高出)、比嘉里緒菜(興南高1年)、星川ひなの(日大1年)、翁長由佳(琉球GC)の14人で、この日の練習ラウンドでは入念にコースのチェックなどを行った。大会は7~10日までで、計108人が出場を予定。優勝賞金2160万円で賞金総額は1億2千万円。大会前の5日に前夜祭、6日にプロアマ大会を行う。

◆宮里「新たな挑戦」/米優勝強みに日本参戦

 米ツアーで優勝経験のある宮里美香が今季から日本ツアーに本格参戦する。「米ツアーでやっている経験は生きるし、強み。完全なルーキーではないので」と新たなスタートを自信を持ち踏み出す。

 興南高校時代から国内大会で好成績を出し、2006年は世界ジュニアを制するなど、国内外で知られるアマチュア選手となった。09年の米女子ツアー出場権を獲得し、米国でプロ人生が始まった。翌年には日本女子オープンを制し、国内ツアー初タイトルを獲得。12年には「セーフウェイクラシック」で米ツアー初優勝を飾る輝かしい実績を収めた。

 しかし、目標であったリオ五輪出場を逃し、燃え尽き症候群のようになり、調子は上がらず、17年の賞金ランキングは157位。シード獲得はならず、予選会も失敗した。18年は日米の女子ツアーだけではなく、男子下部ツアーや韓国ツアーにも参戦したが、それでも出場はプロ生活最少の10試合にとどまった。

 昨年12月のQTで27位となり、今季の前半戦の出場権を得た。国内開幕戦のダイキンオーキッドは12回目。下半身を中心に筋トレに励み、ここに来て飛距離も伸びる。

 中学1年生で初めてプロの世界に触れた大会だ。昨季の試合減で「試合の流れを見たり、モチベーション維持したりする点が難しい」と不安も口にするが、「地元でプレーできるのはこの試合しかない。優勝争いがしたい」と気持ちも固まった。地元で始まる日本ツアーは「新たな挑戦」への第一歩だ。
(屋嘉部長将)

◆比嘉「バージョンアップ」/鍵は初日上位争い

アプローチショットを放つ比嘉真美子

 昨季の賞金ランキングで自己最高の4位に入った比嘉真美子。練習ラウンドを終えて「大会の雰囲気やいつもの顔ぶれを見ると、さあ始まるんだなという気持ちが沸いてきた」と柔和に語りながらも「ダイキンオーキッドから優勝を目指し、今季3勝以上したい」と言葉に力を込める。

 昨季は4月にツアー4勝目を挙げ、トップ10入りは18回で国内選手1位、パーオン率2位、パーセーブ率3位と堅実なゴルフで上位常連となった。

 しかし昨年の開幕戦は「オフの調子が良くて気持ちが前のめりで空回りした」と予選落ち。シーズンを通しても初日から上位に絡むことができないなどの課題もあった。「どうやって気持ちを高めていくのか。ことしの優勝はそこがキーポイントになる」

 4日の練習は先輩の宮里美香、同い年の山城奈々と練習ラウンドを回り、ショートゲームを中心にコースをチェックした。「ほどよい緊張と楽しみがあっていい状態できている」と好調さをアピールする。

 ダイキンオーキッドを県民の前でプレーできる「特別な大会」と位置付ける。「去年よりもバージョンアップした比嘉真美子を見てほしい」とスタートダッシュをもくろむ。
(屋嘉部長将)

◆上原彩「勝ちだけ意識」/パッティング好感触

集中してショットの感触を確かめる上原彩子

 21年連続の出場となる上原彩子は「全体的にコンディションもいい。いいスタートを切れるようにしたい」と意気込む。

 2013年から米ツアーを主戦場にしている。2月上旬にあった自身の今季開幕戦で11位に入り、好調なシーズンインとなった。

 このオフはこれまでも取り組んできたスイングとパッティングを重点的に練習した。「既に3試合終わっているがパッティングの感触がすごくいい」と語る。

 昨季は4月のメジャーのANAインスピレーションで一時首位に立つなど米ツアーでの初優勝も見える。「優勝に届く試合もあったので、今年はチャンスを生かせるようにしたい」と米ツアーでの活躍を描きながら、21度目の地元での大会に向け「勝つことだけ意識して4日間戦いたい。結果で(地元に)恩返しをしたい」と満を持して臨む。