政治

「差別だ」「独善の極み」 岩屋毅防衛相「事前決定」発言 憤り、批判の声

岩屋毅防衛相

 岩屋毅防衛相が5日の参院予算委員会で、名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票の結果にかかわらず、事前に工事を続ける方針を決めていたと明らかにしたことに、沖縄県民からは「差別だ」「怒りしかない」など憤りや批判の声が相次いだ。民主主義を否定する政権幹部の発言に識者も「恣意(しい)、独善の極みだ」と断じた。

 県民投票の実現に取り組んだ「辺野古」県民投票の会の大城章乃さん(28)=那覇市=は「政府は沖縄に寄り添うと言いながら沖縄の声を聞かずに、どう寄り添えるのか」と疑問を口にした。「県民投票の結果を全て無視している。変わらない姿勢に恐怖すら感じる」と話した。

 基地建設反対の抗議行動に参加する、名護市の飲食店経営仲宗根和成さん(39)は岩屋防衛相の発言に「差別以外の何ものでもない」と憤る。「国の大臣としてそういう言葉を使うことに対して怒りしかない。腹立たしい。沖縄を日本だと思っていないのではないか」と批判した。

 辺野古への投入用土砂が搬出される名護市安和の桟橋前で抗議行動に参加した元社会福祉士の中山吉人さん(62)=名護市=は5日、県民の声を軽視する政府の姿勢に「ひどいという言葉では物足りない。県民の気持ちを虫けらのように扱っている」と怒った。米軍普天間飛行場周辺の危険性を放置しているのは政府だとし、「新基地ができるまでの10年以上も普天間は危険なままだ。危険除去のための道筋も示さず、矛盾している」と強く疑問視した。

 憲法学に詳しい名桜大学の大城渡教授は「政府は、憲法上の地方自治を基盤とする県民投票の結果を尊重、順守しなければならない」と指摘する。防衛相による県民投票を巡る一連の発言について「県民投票、さらには地方自治を顧みない政権のふるまいや発言は恣意(しい)、独善の極みだ。国家全体の利益のためなら沖縄を踏みつぶしてもいいとの意識の表れならば、その発想は全体主義、ファシズムの様相をも示している」と断じた。









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