ダイキン女子ゴルフ第1日 諸見里、比嘉真1打差 21歳・松田が単独首位


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 ゴルフの女子国内ツアー開幕戦となる「第32回ダイキンオーキッドレディストーナメント」が7日、南城市の琉球ゴルフ倶楽部(6514ヤード、パー72)で開幕した。昨季賞金ランキング11位で初勝利を目指す21歳の松田鈴英が3バーディー、ボギーなしの69で首位に立った。1打差の2アンダーで諸見里しのぶ、比嘉真美子が並び、大里桃子と菊地絵理香とともに2位につけている。県勢ではイーブンパーで上原彩子、新垣比菜が15位、アマチュアの翁長由佳(琉球GC)、大城さつき、宮里美香が1オーバーで27位につけた。(賞金総額1億2千万円、優勝2160万円、出場108選手=アマ4、曇り、観衆2850人)

◆諸見里 万全でない体調でも集中/今季に懸ける強い覚悟で

8番 バーディーパットを決める諸見里しのぶ=7日、南城市の琉球GC(喜瀬守昭撮影)

 最終18番ホール。諸見里しのぶがバーディーパットをわずかに外すと、会場は「あー」「惜しい」と本人以上に悔しそうな表情が並んだ。落ち着いてパーで終えると、初日2位の好発進にギャラリーからは何度も何度も拍手と指笛が送られた。

 昨年は3位に入ったダイキン以降、コンディション調整がうまくいかず、不完全燃焼の1年だった。今オフの調整も体調管理に加え、グリーンの傾斜への対応など「技術的な不安」を残したまま、開幕戦を迎えた。だが始まると「試合の中で良い手応え」を探すことで高い集中力が生まれていた。

 出だし1番は3パットをたたき、ボギースタートだった。「今できること100パーセントを一球に込める」との思いを強めた2番(パー4)は残り144ヤードのセカンドを左5メートルに寄せバーディー。3番(パー3)もピン奥1・5メートルから、きっちり沈め、連続バーディーとした。

 1アンダーで前半を回り、後半の16番(パー3)は右4メートルから沈め、スコアを伸ばした。最後まで安定した内容で4バーディー、2ボギーの首位と1打差につけた。

 大会直前にアレルギー症状が出たため、プレー中は目を赤らめ、鼻をぬぐう場面もあった。体調は万全ではないがホステスプロとして「今できる、やるべきことをやる。明日も(関係者に)恩返しするために、自信を持って勝負したい」。今季に懸ける覚悟が見える。 (喜屋武研伍)

◆比嘉真美子 後半、バーディーラッシュ/恐れず攻めて、会場沸かす

18番 パットを決め観客の声援に手を振って応える比嘉真美子(喜瀬守昭撮影)

 後半、比嘉真美子がバーディーラッシュで会場を沸かせた。「ミスを恐れず攻め抜く。きょうはそれが達成できた」。5バーディー、3ボギーの2アンダーで2位タイの好発進となった。

 1ボギーで前半を終えると、後半は出だしと上がりの連続を含む5バーディー。途中で連続ボギーも挟んだ出入りにも「私らしいなという印象。1日、心の起伏がなかった。試合勘もあまりないまま赤字(アンダープレー)だったら合格だなという感じ」。首位争いに納得顔だった。

 序盤に出遅れた昨季の轍(てつ)は踏むまいと、オフに取り組んだ。「リズムは良かったが、いい流れに変えられなかっただけ」とボギー一つで前半をしのいで、後半しょっぱなの10番。4メートルから「すごくいい」パットを決め、流れを引き寄せた。

 15番、16番の連続ボギーにも「凡ミスではなくしょうがないボギー」と前向きだった。多くが悩まされた強風も「1日中同じ強さだったし、沖縄の風はこういうもんです」と意に介さない様子。17番、18番の連続バーディーに「上がりは満足」と及第点を付けた。

 昨季は賞金ランク4位で、注目度も一気にアップした。「期待されるのは光栄だし、それに応えられるよう、心技体を整えてあと3日間臨みたい」。今季の弾みへ、目指すは「もちろん優勝」と開幕ダッシュを狙う。
 (石井恭子)