キングス競り負ける 富山に78―80 Bリーグ第44戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区)は10日、沖縄市体育館で富山グラウジーズ(中地区)と今季第44戦を行い、連日の競り合いの中、78―80で惜しくも敗れた。通算成績は28勝16敗となった。

 リベンジに燃える富山に対し、キングスは9日同様に堅い守備で外国人選手の動きを抑えつつ、攻撃は強みの外角弾で点を重ねた。第3クオータ―(Q)でリードを広げたが、第4Qで畳み掛けられて逆転を許した。2点差を追う流れでラストワンプレーに懸けたが、岸本隆一のシュートが外れ、惜敗した。

 次戦は13日、滋賀県のウカルちゃんアリーナで滋賀レイクスターズとと対戦する。

(沖縄市体育館、3261人)
富山(22勝22敗)
 80―78(18―22,23―20,14―25,25―11)
キングス(28勝16敗)

 【評】攻撃でテンポが止まりかけてもジェフ・エアーズの3点弾や田代直希のオフェンスリバウンドが決まる。ゴール下を固める守備が機能したが、ヘルプの隙を突かれる場面もあり、前半は接戦。相手が停滞した第3Qで点差を広げたが、第4Qでキングスのシュートが入らず、逆転を許した。

◆やるべきことできず

 佐々宜央HC(キングス)の話 第4Qで、やるべきことができずに点差を詰められたのがでかい。こういう時間帯が生まれるのはヘッドコーチとして選手をうまくコントロールできていない。最後は岸本がシュートにいった。昨日(9日の試合最終盤で勝負を決めた(シュート)のこともあるので、最後は任せた。

◆敵地で勝ち良かった

 ドナルド・ベックHC(富山)の話 うちのジョシュア・スミスは(キングスの)ダブルチームをうまく処理し、宇都直輝はうまくフィニッシュまでもっていっていた。琉球も素晴らしいチームだが、アウェーで勝てたのは良かった。

◆第4Q失速、12点逆転許す

キングス―富山 第3Q ゴール下に切り込みレイアップシュートを決めるキングスの田代直希=10日、沖縄市体育館(田中芳撮影)

 昨日、逆転勝ちし勢いづいたキングスは第3Qまでリードを維持したが、第4Q出だし約2分弱を無得点かつ9失点して富山を波に乗せてしまい、逆に試合をひっくり返された。多彩な攻撃で勝負どころを盛り上げた試合内容だけに、佐々宜央HCは「僕らが40分間戦い続けることができれば、東京や千葉、栃木などが(上位チーム)いる場所にいけるのに」と語った。

 富山の主力外国人選手2人に加えて宇都直輝など警戒する選手が多い中で、キングスは各選手がダブルチームなど足を使い迎え撃つ。攻撃はジェフ・エアーズの3点弾がさえ、田代直希も攻撃時のリバウンドで味方をフォローしていく。

 第3Qは富山のリズムが乱れた隙に速攻で得点し、石崎巧、橋本竜馬、並里成らの連係攻撃でさらにリードをつくった。しかし、67―55で開始した第4Qの序盤で「やるべきことを明確に判断し、それを実行できなかった」(佐々HC)とチームが乱れ9失点。富山の重量級、ジョシュア・スミスに活躍を許した。

 リバウンドで気を吐いた田代は「守備でスイッチ直後の組み立てがまだまだ」と修正点を挙げる。経験豊富なエアーズは目に見える結果以上に「当初よりいいバスケはできている。チャンピオンシップを勝ち切ることを目指す」と前を向く。
 (嘉陽拓也)