政治

みんなしようよ 政治の話 「#みんなごと」



 昨年9月に行われた県知事選に若者たちが主体的に参加しようと活動してきた「VOTE! #みんなごと 若者たちが考える知事選」。学生たちは1月30日、誕生前から見続けた玉城デニー知事と面会し、広く若者から集めた意見をまとめた政策を提言しました。


「もっと行動を」 若者 未来へ次の一歩


 去年8月、翁長雄志前知事が急逝し「自分にできることは何だろう」と考え始めた沖縄キリスト教学院大の学生たち。教育やアルバイトなど普段の生活で感じていた疑問や「もやもや」を話し合うことから始めて沖縄の歴史や課題を学び、知事選候補者の公開討論会や選挙事務所も訪れて考えを深めてきました。

 知事に手渡した提言は学生たちだけが考えたものではありません。活動を報じる記事を使って幼小中高で知事選を考える授業が行われ、もっと若い世代の声も集まりました。広く参加者を募って公開ワークショップも開きました。これらで集まった意見は選挙前、若者発の政策提言として紙面で公表しました。

 そうして1月、玉城知事との面談が実現しました。知事応接室に現れた玉城知事は緊張する8人の学生一人一人に笑顔で名刺を渡し、にこやかに言葉を掛けました。しまくとぅばでのやり取りも盛り上がり、約束の30分はあっという間に終了しました。

 知事の返答には、最低賃金など県だけでは決められないこと、奨学金などすでに県が実施している施策もありました。学生からは「勉強不足だった」との感想も出ましたが、それは行動したからこそ分かったこと。逆に言えば、県の施策が一般県民に十分に知られていないこともはっきりしました。この経験をステップに、学生たちは「もっと話し合い、もっと行動したい」と次の一歩を踏み出しています。













 県知事選をきっかけに始まった一連の企画は今回で一区切りを迎えます。若者たちの素晴らしい成長ぶりを成果に、琉球新報はこれからも若者と一緒に沖縄の未来をつくる「#みんなごと」を続けます。







 私たちの感想 


 

りこ(22)

「自分の1票なんて」と思っていたが、1票を得る候補者の必死さを目の当たりにして投票の重みを知った。考えが合う仲間と話す楽しさ、「うんうん」と聞いてもらうことに慣れてしまい「自分の考えが正しい」と思い込んでしまって他の人との対話で失敗もした。いろんな考え方、感じ方があることを前提に、自分がしゃべるより相手の話を聞く時間を長くし、言葉も選ぶようになった。


 

よしみ(20)

新聞に載ったり活動についてインスタグラムで紹介したりすると、政治や基地問題に興味がないと思っていた友人から「鳥肌立った」とコメントが来て、若者世代が発信することの大切さを感じた。活動が始まってすぐ米国留学したが、ワークショップにはテレビ電話で参加し、仲間といろんな気持ちをシェアできた。国外からでも参加できることがあると感じた。


 

かーりー(20)

生きづらい社会への不満が自分の中だけでもやもやしていたが、活動に参加してメンバーと話し合い、どうしたらいいかを考えることができた。学生の立場から、目指す社会と今の社会がどうなろうとしているかを考えた。1人ではなく、複数の力では社会を変えられるのかなと思った。これからもっと行動を起こしていきたい。隣の人とゆんたくすることから始めるのも有りだと思う。


 

もーも(21)

選挙は行かなければいけないから行く感覚で政策も十分理解していなかったが、活動に参加して候補者を近くに感じた。私たちの声が候補者に届く過程も経験し、1票の重さを実感できた。活動の影響でたくさんの人から声を掛けてもらい話もした。社会問題を身近に感じ、考え、会話することの楽しさ、つらさ、難しさも知ることができた。



 

いっちゃん(21)

自分と政治は無縁だと感じていたし、発言をしたら無知や未熟さをたたかれるかもと恐れていた。参加して、批判どころか若者の声が大切にされることや若者の力を実感し、周りの若者を巻き込んで世の中を変えたいと本気で考えている。歴史や現実について多くの情報をもらい、考える力と発信力も付いた。新しい学生も巻き込んで沖縄について話し合う会を開きたい。


 

かれな(22)

この活動に参加して政治に興味を持つようになった。活動中は一方の意見に偏らないよう、公平に物事を見て比べることを意識した。基地問題など沖縄の問題を知らない人に、どう説明したら分かりやすく、誤解がないように伝えることができるか、常に考えるようになった。まずはこんな活動に興味がある人から始めて、興味がない人にも輪をつなげていきたい。


 

はーづー(25)

政治の話題へのタブー感が「社会は変わらない」という諦めにつながっていると感じていた。参加して一番良かったのは、自分の考えや思いを素直に安心して話せたこと。否定も肯定もなく受け止め合う、それだけのことだが、そんな場は少ない。周囲との会話で政治の話を出すと意外に関心がある人は多く、タブー感が少しずつ払拭(ふっしょく)される感じがあった。


 

りっちゃん(22)

社会問題にあまり関心がない、知りたいけどどうすればいいか分からない同世代が、素朴な疑問を通して知識と意識を高めるプロセスを肌で感じられてうれしかった。難しいことではなかったし、周りの大人たちが一緒に考えてくれ、“テキトー”に扱われなかったことも続けられた理由だと思う。この活動を始めて新聞を読むようになった。




社会は変えられる

沖縄キリスト教学院大 玉城直美准教授


「政治や選挙のことをみんなの前で話すのは恥ずかしい」「選挙や基地問題をどう考えていいのか分からない」「取材の顔出しはNG!」。県知事選に向けて、新聞社の人と共に学ぼうと打診した時の学生たちの最初の回答だ。

選挙に行く若者を増やしたい一心で、選挙の争点、政策の読み解き方などを学び合った。学生たちは自然と「沖縄の未来や民主主義は自分たちがつくれる。つくっていきたい」と思うようになった。一人の力は弱く不安にもなるけれど、「みんなごと」で仲間と考えると大きな力になるのだ。

ゴールは選挙への関心や投票率を上げることではない。若者も社会に影響を及ぼすことができるという自己肯定感を育むことだ。沖縄の政治的状況は決して楽観できないが、自分たちの社会は自分たちでつくっていけると考える若者が増えれば沖縄の未来は本当に変わる。そう確信できる「#みんなごと」の活動だった。



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