くらし

[ココロ・カラダ不思議つながり]66 子宮頸がんワクチン受けるべき?

Q.子宮頸がんワクチン受けるべき?

 


今日の質問は、
「子宮頸がんワクチンってどうなんですか? 男子がペニスをきちんと洗っていないと相手の女子が子宮頸がんになりやすいって本当ですか?」
です。
中学3年生からです。


 

A.信頼できる情報学び 決めて

 


子宮頸がんワクチンについては、副反応についての裁判が起こされたりして話題になっていますね。子宮頸がんだけではなく、あらゆるワクチンには副反応の可能性があります。健康を保つために行ったワクチンで、健康を失ってしまった人たちのショックや苦しみに対して心からお見舞いを申し上げます。

多くの国で10代が受けている

子宮頸がんワクチンは、WHO(世界保健機関)も接種を勧めています。世界の多くの国で公的な補助があり、たくさんの10代の人が受けています。多くの実施から、最も副反応が少ないワクチンとしても知られています。日本でも公費の助成で5万円のワクチン接種代が無料になる制度は続いていますが、副反応を恐れて制度を利用する人は激減しています。

名古屋市が若い女性7万人に行った大規模調査(18年6月発表)によると、子宮頸がんワクチンの副反応とされる24の症状のうち、15については、ワクチン接種している人の方がしていない人に比べて、症状の出た人が少ないという結果が出ました。

副反応が話題になっているので、ワクチン接種をした人のほうが意識化されやすいのに、症状の出た人が少ないというのは重要な結果です。この調査で副反応とされる24の症状は、思春期の人には一般的に見られる症状であることが分かりました。

子宮頸がんは、日本で年間1万人以上がかかり、約3千人が亡くなっています。他のガンとの違いは、若い人に多いということです。20~39歳の女性の中では、最も多く発症しているガンです。

原因はヒトパピローマウィルスで、性行為で男性から感染します。ペニスの清潔が保たれていないと、ウィルスが増えやすく感染させやすいと言われています。だから、以前お話ししたように、男子・男性が包皮を自分の方に寄せて、きちんと洗うことは本当に大切です。


すべての感染を防ぐわけではない


ただ、ワクチンはガンの原因となるすべてのヒトパピローマウィルスの感染を防ぐわけではありません。感染力が強いので、性行為には必ずコンドームを使う、さらにコンドームで感染を防げない行為もあるので、定期的なガン検診が必要です(日本は検診率がすごく低いです。若い世代には、2年に1回の検診が勧められています)。

さらにヒトパピローマウィルスは、陰茎ガン、肛門ガン、口腔や咽頭のガンの原因にもなります。それで、オーストラリアなどの国では男子にもワクチン接種を公費で行っていて、女性も男性も関連するガンにかかる人の割合が減っています。


プレビュー


ワクチン接種をする前に、この連載でお伝えしてきたように自分の身体の仕組みを科学的に知り、性感染症、さらに予防や検診についてもしっかり勉強できるようなおとなのサポートが大切です。その上で、子どもたちが主体的に予防接種をすると決められる仕組みができていないことが、一番の問題だと私は思っています。



徳永桂子(とくなが・けいこ) 思春期保健相談士。

 心が生きると書く「性」、心が生きて交わる・お互いの心を生かして交わると書く「性交」の漢字の通り、子どもたちがありのままの自分を肯定できるように。豊かなパートナーシップを築けるように。みんなで明るく肯定的に性について語れたらいいなと思って活動中。

 新報小中学生新聞に「ココロ・カラダ不思議つながり」を連載中。著書に「からだノート~中学生の相談箱」(単著)「LGBTなんでも聞いてみよう~中・高生が知りたいホントのところ」(共著)など。
 

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ココロ・カラダ不思議つながり

 
徳永桂子・著/上原明子・イラスト
A5変型判 128頁(オールカラー)

¥1,250(税抜き)