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FC琉球中川風希、横浜F・マリノスに「電撃移籍」 昨季チーム得点王、J3優勝の立役者 「琉球愛」悩んだ末に決断

横浜F・マリノスへの移籍が決まり、小松駿太(左)から祝福のハグを受ける中川風希

 昨季、チーム得点王でFC琉球のJ2昇格・J3優勝の立役者の中心にいた中川風希(23)がJ1横浜F・マリノスへ移籍することを15日、球団が発表した。既にマリノスへ籍を移しており、16日の徳島戦へは出場しない。マリノスのアンジ・ポステコグルー監督からの評価が高く、数日前にオファーを受けたという。中川は母の故郷でもある沖縄のこと、チームやサポーターのことを思い悩み抜いた末、「今あるチャンスをつかみたい」と決断。ストライカーとしてだけでなく、勝利へのラストパスを演出する琉球で育ったファンタジスタが、国内最高峰の舞台で夢を追う。

 中川は2017年8月に、ペティス・サン・イシドロ(スペイン5部)から琉球に移籍した。当時の金鍾成監督が「ループを打てる器用さがあり、セットプレーからヘディングでもシュートを決められる数少ない選手」と太鼓判を押していた。昨季はワントップやトップ下、インサイドハーフまで、さまざまなポジションをこなした。

 順調にスタートした昨季だが、なかなかゴールが奪えない時期があった。「サッカースタイルを変えなければならないのか」と自問自答する日々が続いたという。

 7月の盛岡戦で播戸竜二の「自信を持っていけばいい」という助言に後押しされ、その日は自身初のハットトリックを達成。この試合を起点にプレーがより積極的になり、自らゴール前に駆け上がるシーンが増えた。殻を破り、シーズンで16得点を挙げ、ゴールゲッターへ一気に駆け上がった。

 「人生で一番充実した時間」と話す琉球での1年半。15日の練習では「電撃移籍」についてチームメートからいじられつつも、「頑張れよ」と小松駿太らから熱いハグを受け、関係者からは「寂しくなるな」との声も上がった。19シーズンからマリノスでプレーしている、朴一圭(前琉球主将)からも「おめでとう」と激励の言葉も受けた。

 「申し訳ない気持ちもある。しかしJ1で活躍することで、周囲から琉球の価値を高めたい」と“琉球愛”を表す。マリノスでは同じポジションに日本代表クラスの選手がそろっているが「失うものは何もない。頑張ります」と決意を胸に階段を上る。
 (喜屋武研伍)